「誰がわたしを救うのか」対峙 JYARIさんの映画レビュー(感想・評価)
誰がわたしを救うのか
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終始、ピリピリとした会話劇でストーリーが進む。
序盤、正直どちらが被害側かわからず、
それも含めて緊張感がすごかった
両者(特に被害者の母親)の震えが伝わり、
こちらにまでその琴線の震えが影響された
偏見かもしれないが、
加害者家族のあのちょっとズレた価値観や神経が
もの凄く上手く表現されていたように思う。
さらに、被害者家族の母親の方が、
何か縋るように夫を見つめるその視線や
見つめ方がリアルでリアルで。
彼らの言動一つ一つから、それまでの
6年間を感じさせられた。
中盤、話は加害者の過去や心情、
そして彼の両親はなぜ彼を野放しにしたか
ということに集中された
そこから一変し、被害者の過去へ
ここで加害者母が語った
「それが人生の価値よ」
「世界を変えなくていいの」
この言葉が状況を一変させたように思う。
そして、ラスト。
母親同士の和解が訪れる。
「わたしも話したかった」
彼女の本心は、周りを動かした。
(ここが一番痺れるシーンだった)
彼女も母親だった。
「自分を殴れと言えば良かった。」
この告白の重みは計り知れない。
正直、加害者父親は最後まであんな感じだったが、
母親には一番心を持っていかれた。
あまりにあっさりとした立ち去り方に、
彼らを信じることが出来るのかと思った。
赦したままでいられるのかと。
それでも、ほんの少しの時間だけでも、
彼らを信じ許すことが出来た
そのことと共に生きるしかない。
その事実が、後々の自分を救うかもしれない。
どうにかして生きるには、
信じること、救うこと、許すこと、
そういったポジティブな感情を
抱き続ける他ないのだと思わせられた。
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