怪物のレビュー・感想・評価
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狭い世界のよくあるお話。
小学生というまだ狭い世界での葛藤や楽しさや苦しみ うまく表現されていたなぁと思います。特に男の子ならわかるシークレットベース隠れ家は自分達も秘密基地とかいって作ってたし大人には絶対知られないようにしてましたねぇf(^_^;
学校という狭い世界 閉ざされた空間で見えない状況の中隠しとおそうとすることよくあるお話。
家庭という狭い世界 親が子供に過剰期待や過剰失意からの虐待やモンスターペアレント化これもよくあるお話。
これらをうまくミックスしてみせてくれていましたが ラスト ?
あれでいいの?😅 あれでよくわからんくなってしまった。
そこまでが面白かっただけにねf(^_^;
これは…警告!…か?
暴力教師…実は…。いじめ…実は…。我々は自分が見聞きした事象を事実だと思う。そして行動する。それは自然だ。しかし…本当に事実に即した対応なのか?「完全な誤解」という危険性はないのか?見る視点を変えれば、見える現象が違ってくる。そういうことは当たり前のことであるはず。我々は理解してるだろうか?我々は常に偏見を有している。そして、SNSの発達は、ある意味、我々の偏見が支えている。偏見が商売のエサになる世の中で、我々は適切な行動を取れているのだろか?少年は…こうあるべき…小学5年生はこうあるべき…我々は思い込んでいるかも知れない。時代の進化は、大人たちだけが影響を受けるわけではなく、子供たちも同時代を生きている以上、影響を受ける。これも自然な論理だが…我々は意識できているか?以前とは違う時代認識のなか、その空気を吸って子供たちは「純粋」に育つ。そして、以前使った定義とは違う育ち方をする。そのことに我々はきちんと向き合えているだろうか?示唆に富んだ映画だ。この脚本はシンドい。さすが!カンヌ脚本賞!BRAVO!🤣
それぞれの良さが詰まった、バランスの良い作品
是枝監督の作品は好きでほとんど観ています。
期待をせざるを得ないですが、期待通りの作品となっていました。
是枝監督らしく、社会問題を勧善懲悪でなくリアルに描きつつ、
坂元裕二の脚本で観る人を最後まで惹きつけ、
坂本龍一の音楽で雰囲気を一気に持っていく。
それぞれのよさが十二分に伝わってきました。
諏訪湖のショットと音で時間を説明する、
是枝作品には欠かせない、主役である子供たちの活き活きとした演技、
隙間からのぞき込むカメラワーク、など演出も印象的。
ただ、欲を言えば、鑑賞後のモヤモヤがほしかった。
言い方をかえれば、きれいでキラキラした作品であり、是枝監督がいつも描く、現実はこんなに甘くない、というメッセージがあまり感じられない。
期待と、名スタッフが揃うと、あまり挑戦的なところも難しくなるのかな、という印象ももちました。
総じて、映画としては面白く、社会問題としてもありきたりではおるが、うまく絡められている作品でした。
2023年劇場鑑賞74本目
怪物は…
ようやく是枝監督作品の面白さを理解出来た。彼の作品は常に社会性を持って、映画的なファンタジーを作り出す。カンヌが認める才能に気付けることが出来た。彼の本質は社会における欺瞞を映画というファンタジー装置を使って、上手く処理する。成熟した大人のパンクスだと感じた。人間、それも個人としての人間の尊厳は絶対に守られるべきであり、尊重すべき金科玉条である。私たちは社会のために生きる前に、個人として生きる。そして、個人を主にして社会を作る土台が完全に崩れている日本、否、世界だからこそこの作品が輝くのだ。あえて言いたい。日本国憲法は常に私たち庶民であり、国民の側にあり、私たち一人一人が日本の代表である意識を持つことは、大それたことでは無く、むしろ当たり前のことだと、私はこの作品を鑑賞して、感じた。それこそ「穿った」見方だと思う。彼の次作が楽しみである。
怪物は閉鎖的な環境であり、凡庸な個人、個性を全く認めない社会のことである。目玉が二つだと人間、一つだとカタワ扱い、全盲だと障害者、三つ以上だと神か妖怪。カテゴライズにこだわる社会が「怪物」なのである。私たちは猛省し、心情の大改革をすべき現代社会に生きているのだ。同調圧力に屈することなく、楽しく自由に生きて、個人個人が第一に尊ばれる社会がこの未来のない日本には必要なのである。
残酷だけど、ずっとずっと美しい
怪物だーれだ。
映画に出てくる"怪物"は一体誰なのか?
観客はタイトルに引っ張られ、このような考察をしながら映画を観るだろう。
学校の汚れをガリガリと落としている校長か?保利先生か?母親か?もしくは子供たちか?そのような奇妙さが前半この映画に蔓延している。得体の知れない不気味さである。
そして母親の視点、教師の視点となるうちに物語の全貌が少しづつ明らかになる。
教室の真実は大人からは決して見えない。まさにブラックボックスだ。そして大人たちの"物語"によって子供たちは勝手に解釈されていく。
最後に子供たちの目線が描かれる。教室は残酷だ。まだ鎧のない子供への言葉は、ダイレクトに傷付ける。コミュニケーションとは、どうしても加害性をともなう。だからこそ子供たちは、その残酷さも美しさも両方を大人よりも痛いほど知っている。
大人の視点で描かれたトンネルは不気味だ。でも、子供たちからしたらあそこは唯一の逃げ場なのだ。
誰かを怪物に仕立てようとする観客を、私たちをこの映画はまるで批評する。
確かに終盤になるにつれて映画の物語性は少なくなる。そこにはただ社会に揉まれながらも、自分自身で行き場を見つけ出す子供の姿が描かれる。是枝監督らしく、子供たちに優しく繊細にレンズ向けている。よって物語の終盤、観客は子供たちと同じ目線で傷つきながら、それでも美しく共に過ごす。
中盤までは言葉で語りつつ最後はやはり映像で語る。絶妙な塩梅である。
最後はなんて美しいのだろうか。この映画は結局何も変わってないし、変わることなんて出来ないだろう。ただそれでも、最後の映像があるだけで観客は心の底から救われる。
本当に素晴らしい映画はテーマに沿って人が動いていない。必然的にそこに存るのだ。それをカメラでどうにかすくい取る。それを見た人がテーマを勝手に見出す。監督の発言もこのような意図があったのだろう。
怪物はどこにでもいるが、どこにもいない
表面上は小学校の暴力問題を描いた作品でした。ただ、どんな問題にも背景があり、そこに事実を超えた真実が眠っていました。
母親が学校を責める行動は正当だし、学校側の謝罪も当然です。でも、社会が問題をここで終わらせず、今度は被害者がある種の加害者となってしまう。そういった争いを望まない者にとって、被害者の考えを理解しようとしないものはすべてが怪物に見えてしまうのだと思います。また、そもそもの原因を理解していない親や先生さえも手前勝手な主張で争う怪物に見えてしまう。
湊くんの心理描写が生々しかったです。暴力問題が発覚する前の異常行動や学校での振る舞いなど目を覆いたくなるようなシーンもありました。それを演じた黒川想矢さんもすばらしかったです。その他、配役はピッタリなイメージでした。モンペ役の安藤サクラさんの凄み、投げやりな先生役の永山瑛太さん、絶対的な存在感の田中裕子さん。子役の柊木陽太さんも演技に見えないほどの子供らしさがすばらしかったです。
改めて、思い込みや偏見の恐ろしさを感じました。普段の生活のちょっとした出来事で誰かの怪物になっていたり、また苦手意識で誰かを怪物と決めつけてしまっていたりと、SNSやメールなど意思疎通が中途半端になっているこの時代、大人だからこそ理解しておくべき作品だったと思います。
怪物は人が生んだもの
子どもたちの小さなウソを、いろんな人たちの
いろんな立場と都合が包みこまれて、大きな怪物になる……という感じなのかな。
どの立場の人も自分の考えと信念を信じてて行動した結果とも言うかなー。
台風とともに悪いものは流れたのかな?
皆に明るい未来、くるといいな。
景色や音楽は良かったし、危うい感じの思春期の子どもたちも演技が上手くて良かった。
ザワザワします。
自分の息子のイジメの件で学校に行ったものの、校長や教師の心の無い対応に憤る母。それを見ているだけで心が痛かったです。
しかし物語はそんな単純な物ではなかったのでした…
中々に面白いストーリーだったのですが、おかしな部分が結構有りました。わざと誤解させるように誘導する演出はいただけないですね。
とは言え安藤サクラさんの演技や子役2人の演技の良さ、視点を変えたストーリー展開など見応えが有り、面白かったです。
子役2人あっぱれです👏
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世の中で起こるあらゆる事由に対し
一点だけを見てはならない
あらゆる角度から見ないと何が正解なのか
本質は何なのか分からないものだと改めて感じます。
いやむしろ正解は1つではないのかも知れません。
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本作は、始めから、不安を掻き立てられ、
モヤモヤさせられ不快になる時間が長く続きます。
全体像が見え、そこに真の「怪物」は誰なのか。
ラストの展開についても見る者に委ねる。そんな感じです。
現代社会の歪みや闇を「小学校」と言う小さな
コミュニティの中で存分に描かれていて
ゾワゾワします。
身近なところに、そこかしこに「怪物」は存在する。
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子役の少年2人がとんでもない存在感を放ち
安藤サクラや田中裕子が霞んでしまうほどです。
常日頃、何かと韓国作品と比較しがちですが
こんな子役たちがいるならば、まだ安心だな。
なんて偉そうに思いました。
感謝!感謝!そして感謝!
断片的な事象としての事実に遭遇した人それぞれの勝手な思い込みによって無意識に作り上げられていく心の中の真実。決して覗き見ることの出来ない相手の心の中。軽々しく伝播されていく無神経で根拠のない噂という名の凶器。自己中心的かつ残酷な言葉の暴力。自分勝手な保身からの責任転嫁。軽んじられる責任感。人間の心の中に無自覚に潜む「怪物」たち。
監督 是枝裕和と脚本 坂元裕二の記念すべき初タッグ作品。「万引き家族」の安藤サクラ、「それでも、生きていく」「最高の離婚」の永山瑛太、「Mother」「Woman」の田中裕子らの秀逸な演技に自然に引き込まれていく。子役二人の瑞々しく自然な演技も素晴らしく坂本龍一の音楽と合わせて記憶に残る作品に出逢えた事に感謝。
怪物ってなに?
カンヌで云々、是枝監督の作品というだけで、観ておこうかなと出かけた。
想像していたのとはちょっと違う作品でした。
日常生活の中に紛れ込んでいる「怪物」、直視するのも恐ろしい。
今までなら、ここで「樹木希林」なんだろうけど、「田中裕子」はさすがの演技。「田中裕子」でなければならない存在感でした。
ラスト、坂本龍一の音楽で全てが包み込まれる感覚、圧巻でした。
噛めば噛むほど味がある
カンヌに輝いた坂元裕二の脚本を是枝監督が撮る。怪物とは誰?怪物とはモンスターなのか?
デストロイヤーなのか?
加害者のことか?
それとも自分と異質な者は皆、怪物なのか?
羅生門を思わせる3幕構成。一幕目の怪物は得体の知れない学校の態度。
2幕目は所謂モンスターペアレントと大人の想像を超える子供たちの態度。子供思いの保利先生が体裁の為に社会から事実上抹殺されてしまうまでの正に全てがモンスターなお話。
そして3幕目が子供達の多様性。自らを受け入れようともがき成長して行く様。
色々と取れる結末ですが、坂本龍一さんの音楽とあいまり、光に向かって行く希望のラスト。それにしても子役の2人、上手すぎます。是枝監督、お見事です。
私には非常に余韻に浸れる一本でした。
ちなみに、きっと猫の死骸のことで嘘をついた女の子は湊くんが好きだったんだろうね。
大人は何にもわかってない
カンヌでの脚本賞おめでとうございます!
見事にあっぱれですね!
小さなボタンのかけ違いが
連鎖したあとに起こる悲劇なのでしょうか。
母の視点、先生の視点、子供の視点。
日常がさらりと流れつつ、
緻密なドラマになっているんですよね。
そして、そして、
大人になるにつれ視野が狭くなるのかなと
怖くなりました。
靴のシーンは、胸が熱くなります。
嗚呼、ラストシーンは
depends on you、、、
正解は無いのかも知れません。
そして怪物は、
誰だったんだろう。
余韻に浸りながら
2回目が観たくなりました。
ほんとに凄い作品に出会えました。
坂本龍一さんへのクレジットも
泣きそうになりました。
是枝監督、有難うございます。
子どもたちが良かった
公開前にノベライズ本を読んでいたので、内容は把握した状態。本を読むこと自体も久々だったけど、本当に引きこまれてあっという間に読み終え、公開をすごく楽しみに待っていました。
上手く言葉には出来ないけど「怪物だーれだ」というワードチョイスというか、これはほんと素晴らしいと思いました。坂元さんの脚本、好きだなぁと。。
湊と依里のシーンが特に好きでした。
起こっている事実はひとつでも、見え方が異なることで真実が変わっていく。
まさしくだなーと。
(これとは関係ないけど ドラマ99.9の中であった内容)
レイトショーで鑑賞後、余韻に浸りたくなり プラプラと少し歩いて、やっぱり映画っていいな と思った夜でした。
好きな監督さん、脚本家さん、役者さんなど、
きっかけはなんでも、これからも『映画』を思う存分楽しみたいです。
ありがとうございました
さすが…
是枝監督、やっぱりすごい。怪物だーれだ、な話かと思いきや…まあ、そうなんだけどこんなに晴々とした結末になるとは。人を想う心の空回りというかなんというか。子役もベテラン陣も皆上手いけれど田中裕子のモンスターっぷりがいちばん予想外だった。坂本龍一の音楽も心にしみすぎる…。
観て良かったです
とても良い映画でした
ひとつの事実に対し人の数だけ真実がある。それぞれの大切なものを守るためにウソをつく、誰も怪物ではないけど誰かにとっての怪物になってしまう、それにより傷つく正義、現実にあるんだろうなと思いました。
映画の中で私が一番怪物だと思ったのは、真実を言えずウソをつく子供です。大人は太刀打ち出来ないなぁと…
本当に観て良かったです。
あとキャスティング最高でした。
「怪物」と決めつけることの救い
誰しも、誰かの目にはモンスターになり得る。
それは当たり前のことなのだけれど、相手の話しをしっかりと聞き入れようとせず、最初から「モンスター」と決めつけてしまうのと、相手の態度が理解できず、徐々に「モンスター」に見えてくるのでは、まったく違います。
子どもたちのことは懐の深いところで受け入れ、救いを与えようとする校長が、保護者に対してははなからモンスターであると決めつける矛盾と、現実。
先生は強いから、少しくらい悪者にしても大丈夫だという子どもの決めつけもまた、「優しい大人」を「自分とは違う何者か=モンスター」と決めつけているということになるのでしょう。
モンスターを覗き込むものもまた、モンスターになってしまう。そのスパイラルをどこで断ち切るか、断ち切れるのか……というところで、一見理不尽な目にあっているとしか見えない保利先生にも、なにがしかの救いがあるのでしょう。
保利先生は、自分をモンスターだと決めつけた相手に対して、「おまえはモンスターじゃない」と声を上げる。そういう意味では、この映画で一番の救いなのだと思います。
ただ、「この世にモンスターはいない。モンスターを作り出す状況と、モンスターと見なす人がいるだけだ」と、楽観的に見ることもできません。
中村獅童演じる星川清高に関しては、むしろ積極的に「怪物である」と決めつけ、なまけものの死んだふりではなく、しっかりと成敗せねばならないのではないでしょうか。
あるいは、「こいつは化け物だ」と決めつけることが、救いになることもあるはずです。
星川清高が怪物にならずに済むような状況。それが本当の救いなのでしょうが、どうすればそんな救いがもたらせられるのでしょうね。
ラストシーンは、「一度死んで生まれ変わらなければ、バリケードの向こうに行けないのでしょうか?」という問いかけだと私は受け止めました。
最後に。
カンヌには言いたい。
ネタバレやめてくれ。
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