怪物のレビュー・感想・評価
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三幕目でミステリー構造から脱却し、物語性を消失させる子供たち
ゲイであると自認しながら、それをどうにか隠して生きてきた自分としてはいくらカンヌ主要賞である脚本賞とクィア・パルムを満場一致で受賞した映画とはいえ、少し見るのが不安なところもあったのですが、間違いなく大傑作であると同時に、よくぞここまで繊細で誠実に攻めた内容を日本で作り上げ、放映まで持ってこれたなととてもびっくりしています。
ある海外批評誌の記者がカンヌ映画祭で本作を鑑賞した時、「羅生門(藪の中)の構造を使うと一般の映画好きは無意識にミステリーだとカテゴライズするが、この映画は『他者の痛みの共有』のためにこの構造を転用していて、奇しくもそのジャンル的な構造を批評的に打ち壊すことに成功している」と大絶賛していて、その批評が頭の片隅に残りながら先日映画を見たのですが、見ている間はそういった「批評する自分」を置き去りにするほどの映画としての強さにとにかく圧倒されました。視聴後もしばし呆然としていたのですが、すぐに決定稿のシナリオとパンフレットを購入し、その内容を確認した後、監督、脚本、音楽、撮影にこれほどの才能が集まるとこういった映画が日本でも放映されるんだなとなぜか少し泣けてしまいました。
TAR、アフターサンと最近の映画は自分の好みに合うことも多かったのですが、この「怪物」はそれらを超えて自分にとって間違いなく大切な作品になりました。
ガチガチの構造に準拠した合理的なミステリーを見せてほしい人と構造ごといらない昔ながらのシネフィルの2パターンの人が日本人の観客には多いとよく映画監督や映画批評家で言っている人が多いのですが、パンフで脚本家も言っていた「最後、三幕目で物語性(構造)を無くす」という発想がこの映画のテーマそのものとリンクしてることに気がついて鳥肌がたち、これの凄さに気がついて脚本賞を受賞させたカンヌの審査員である監督や各国の映画祭のプロデューサーたちの確かな目と、なぜカンヌがこれほどまで世界で評価されている映画祭なのかを改めて実感しました。
スコセッシやアフターサンの監督が言っていたように「構造的に準拠した合理性からの脱却」は今活躍してる監督全員が抱える裏テーマであり、そういう部分こそ、「最大公約数なデータ集積では書けない人間の『ゆらぎ』」という形で評価される評も海外の批評誌でよく見かけるようになりましたが、そういった視点をさらに包括させるような素晴らしい映画だと感じました。
いかに上っ面しか見てないかを思い知らされます。
レビューが難しい為、前知識を全く入れたくない方はスルー願います。
夫が亡くなり、女手ひとつで育ててきた大切な息子。
その息子の水筒から泥が出てくる。靴が片方無くなっている。ケガをして帰ってくる・・・。
平穏な日常のシーンが、いや〜な空気に変わってくる。
いじめがテーマかぁと思っていた矢先、ビル火災のシーンがスイッチとなり、登場人物のターンが変わる。
そして、同じ出来事が別視点で描かれていきます。
すると、今まで信じてきた認知がひっくり返る。
共通に起こっている出来事が、見方によってここまで変わってしまうものなのか。
真実を捉えることの難しさを感じさせられる作品でしたね。
それにしても、視点が変わることでの伏線回収が非常に面白く、そしてその反面恐ろしさを感じました。
理解できているつもりが、実は上っ面しか見えない事が現実にはいくらでもあるわけで・・・
怪物だーれだ?
って、各登場人物のパート毎にコロコロ見方を変えちゃってる自分自身こそが怪物なんじゃないかと思っちゃいますね😅
もしかしたら、あの後更に別の視点で見せられてたら、あの子達の印象だって更に変わる可能性だってあるわけで・・・
なんかすごい作品でした✨
ちなみに、ロケ地が地元なんですけど、いつこんなに撮影してたんだろうと思うくらい、想像以上に馴染みの場所が舞台となっておりビックリでした!
聖地巡礼しまくれちゃいますね😁
結局怪物はいなかったということ?
色んな人や物事が怪物のように見えるけど
視点を変えて見ると怪物なんていませんでしたってことなのかな?
みなとくんがほり先生にやられた、先生に言われたと嘘をついた理由や
みなとくんが猫で遊んでた→そんなこと言ってませんという女子生徒の発言など
結局最後までよく分からず終わった部分がいくつかあった。
説明不足なのか、伏線を回収し忘れたのか、物語を怪しく進めるために無理に入れた展開なのか、それともただ私の理解不足か何か見落としてしまったのか、、
そして、みんなの勘違いが重なっていたことは分かったけど
何も解決していないし、当人たちの誤解も解けていないし、ほり先生が社会的に死んだし、これで完結しちゃっていいの?と思った。
でもだんだん裏側が明かされて繋がっていくような展開の映画が好きなので、初見では見ていて面白かったです。
もう一度見たいとは思わないな。
誰もが「怪物」を飼っている
みんなホントに高評価なわけ?
怪物、いえいえ、ふつうの人間のおなはしだよ
脚本は同じ時間軸を視点を変えてトレースするように構成されており、前半と中間が謎掛け、後半がその答え合わせのようになっていて、上手い展開だなとは思いました。
ですが、台詞回しに不自然さを感じます、特に前半と中間はミスリードしてやろう、してやろうとするような違和感が残りました。
「私が喋っているのは人間?」
「あれは化物ですよ」
なんなんですか、あの台詞回し、個人的にはいただけませんな〜ぁ
予告編からして、もうすでにミスリードしてやろう感を醸し出しているのも気に入らない
後半は一転、少年二人が主人公でテイストがまるで違って、BLになりそうでどきどきしましたが(笑)違う意味で、ほほうって感じで楽しめました。
結局、怪物なんてどこにもいないじゃない、わざわざ怪物探しなんかさせようとする意図も観終えてしまえば個人的にはしらけてしまった。
少年二人のお話に、安藤サクラも永山瑛太も中村獅童も怪物と言うよりむしろピエロに見えました。
唯一、人間然として、人間臭い、田中裕子さんは良かったです。
怪物なんていない、人間の話です。
是枝裕和だから⭐をつけたり私はしませんので悪しからず、この映画の⭐は皆さん、是枝裕和に忖度し過ぎだと思います。
大ヒットに大満足
是枝監督の作品はこれまでも高い評価を受けてきましたが、本作は受賞のタイミングやキャストの話題性もあるのでしょうが、観客も高い年齢層の方も多く、またロングランを予感させる混み方であります このレビューも含め「予習」をしたことで流れはわかりましたが、それでも学校・保護者・子どもそれぞれの視点で観たときに、それぞれの思いのズレが予測されない事態の展開を引き起こすとともに、学校が一つの「組織」として存在し、「組織」を守るための知恵やあざとさは、愉快とは思えないけれどもおかしくはありました
子どもの時代、また保護者の時代、そして現職のサラリーマンとして各々の時代を通り抜けてきた自分ですが、通り抜けてきたその時の苦しさ・切なさは、時代も違うでしょうが、まったく異質の新鮮な思いで観ました 保利先生の同僚を「誰も知らない」の北浦愛さんが演じられていましたが、19年ぶりの「里帰り」で嬉しく拝見しました
(6月11日 イオンシネマりんくう泉南にて鑑賞)
脳がくたびれました
もう少しだけ笑いが欲しい
素晴らしい監督なのは理解している。
でもラスト、無理矢理前向きに終わらせようとして尻切れになってしまった感は否めない。
大きくは3ブロックで語られる映画だが、1番理解が難しい子供部分がラストになってしまったので致し方ないのかもしれない。二人の子供の冒険的な、スタンドバイミー的な感じだったらまだ良かったような気がするんだけども。ボーイズラブを無理矢理詰め込んでる感じがしたんだよなあ。二人の子供は無茶苦茶上手くて、最初から分かる感じで演じてたと後で分かったけど、私はその辺りが鈍く最初何かしらの障がいだと思って見ていた。
最初の親に感情移入してしまい、色んなことが次々と裏切られていったけども見ていて
辛い部分が多く、もう少し笑いというか救いが欲しかった。親の立場で見てしまったので
ラストの子供部分、親に会って終わって欲しかったな。
私もあなたも怪物です。
是枝監督の作品で一番よく思う感想は『感想がない』こと。以前、監督が小説家を目指してた云々の記事を見て、だから脚本も純文学系なのか…と妙に納得した記憶が。
純文学系を映像に落とし込むと、やはり少し物足りなさを感じる気もする。
しかしこの作品はエンタメ要素を充分に盛り込み、尚且つミステリー要素も含む内容なので、非常に興味深く鑑賞した。
エンタメ要素が強いのでラストは想定内。
だけど万引き〜より私は好きです。
誰しもが自分が怪物だなんて思っていない。
あのゲームのように。
気付きを与え意表を突く、素晴らしい作品でした。
物事の見え方
となりの怪物くん
見ごたえがあった。最初から最後まで。
怪物のオールスター。
保身や嘘、自分の子(自分)以外には言葉の暴力をまき散らす事を何とも思わない自己チュー母親、人の不幸しか楽しみが無い人間による噂話、心が無い彼女、イジメ、汚い女子児童、言わずもがな歌舞伎役者。細かい所まで余すことなく怪物。
でも、きちんと作品になっている。
誰の言葉を信じるか、各々の主観、都合で善が悪になり、悪が善になる。
誰も他人の事を考えていない。
強いて言えば、担任の先生だけは根が善人・・
が、日本独自のジェンダー差別的な発言だけが目に付く。海外には存在しない言葉だからね。
前半の学校と母親のやり取りはもはやコメディ。
大真面目な映画だという事が分かっているから笑いはこみ上げてこないが、
コメディ映画という看板だったら笑っていたと思う。
子役二人の演技が兎に角素晴らしい。
二人の演技はこの作品の成否を分ける要だと思うが、見事に作品のレベルを1ランク上げていると思う。
演技の事はよく分からないけども(´_ゝ`)
迷ったけど見て良かった。
車の動画。 前の車に習えでどんどん崖から落ちていく動画を思い出した...
面白いけど
怪物って?結局どうなった?
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