怪物のレビュー・感想・評価
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子供たちの活躍が救いです
子役の演技力が光る秀作。3つの視点から物語を並行して見せる技法でテンポよく進行するので見方を変えて復習しながら裏側を知っていく事で真実らしきものが見えてくる展開。観るものを飽きさせない工夫があり謎解きのような感覚も出てきます。
さーて怪物は誰でしょう?
是非映画館で🎦謎解きを
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あら、悪人いなかったね。怪物って自分達の事だったのか。
息子を護りたい安藤サクラ演じるシングルマザーの早織は、息子の湊が永山瑛太演じる担任の保利から暴力を受けたと聞き、学校に文句を言いに行く。すると先生達が怪しい動き、保利はちゃんと喋らないし、特に田中裕子演じる校長が怪しい。なんだろう?学校や子供達を守る為には真実など関係なく謝っておけって理屈。凄い違和感。それから真実を見つけ出す為に早織が動きまわるのかと思っていたら、そうでもない普通のお母さん。モヤモヤってしてると同じシーンを大人目線、子供目線で繰り返し観せられる連続。確かに人は自分の見えてる事しか分からないよね。じゃ何で嘘だらけになってちゃうのよ。動物の中で嘘をつけるのは人間だけだから、そこが人間らしいって事なのかな。
色々な理由がバンバン伏線回収されていって、最後、まさかのLGBTネタに。ふむふむ、その気持ち分からなくもないが、嘘はダメよ!幸せになれるかどうかなんて自分で決めればいいんだからね。
しかし、2人の秘密基地的な廃列車、羨ましかったけど、それ見つかったらやばいよ。そして最後は2人とも生まれ変わるのかと思ってたら、ハッピーエンド。ちょっと泣けました。
高畑充希ちゃん、もう少し絡んで欲しかった。
怪物だーれだ。
誰の心の中にも住む怪物
まずは、カンヌ映画祭・脚本賞、おめでとうございます。
モンスターとしての『怪物』は、勿論出てこない。しかし、この世の中、誰もが抱えているエゴや傲慢、そして葛藤などの心の闇を、是枝監督流に見事な『怪物』として仕立て、観客に訴えかけてくる作品である。『王様のブランチ』でLiLiCoが、「観終わった後、それぞれがどう受け止めるか考えて欲しい」と紹介していたが、確かにその通り。いろいろな問題提起の中で、どう言葉で表したらよいか、考えてしまう内容だった。
個人としては、基本的に学校モノは嫌いである。実際の学校の現場や職員の言動とかけ離れたものが展開され、辟易することがしばしばある。本作も前半は、いじめの隠蔽する管理職、頼りない教師を全面に打ち出し、「またこのパターンか…。これが脚本賞に輝いた作品?」と正直、席を立とうかと思ったほど。
しかし、後半は、全く違う展開となった。少年のいじめの真相や、頼りない教師として映し出されていた担任の真意、校長に纏わる悲劇の真実、そして2人の男の子が抱えていた葛藤が、次第に紐解かれていく中で、前半に映し出されてきたエピソードが、180度違ったものとなって展開されていった。
最後の落としどころも、現代を象徴するあの問題へと導くあたりは、全く予想だにできなかった展開。サスペンスと思っていたストーリーが、いつしかヒューマン・タッチな、少年のデリケートな問題への提起となって、エンドロールを迎えた。改めて、坂本裕二さんの脚本賞も頷けたし、是枝監督のこうした作品作りの巧みさを感じる作品であった。
主演の安藤サクラは、安定感のある演技で、シングルマザー役を演じていたし、教師役の瑛太も、頼りない中にもシリアスな役所を上手にこなしていた。ただ、田中裕子の校長役は年齢からしても無理があるし、流石にあんな校長は存在しないだろう。
こうしたベテランの俳優陣以上に、輝いていたのは、湊を演じた黒川想矢君と依頼役の柊木陽太君。小学生ながらも、感情を押し殺した淡々とした演技が印象的で、自然な中にも存在感のある演技で、心に潜む『怪物』を表現していた。
最後に、音楽を担当した坂本龍一さんのご冥福を、お祈り申し上げます。
是枝監督作品
今まで、話題になっても観てこなかった是枝監督作品。
予告や軽いあらすじで敬遠してしまっていたが、何故だかこの「怪物」は観てみたい!っと思った。
脚本家の坂元 裕二氏が好きという訳でもない。是枝監督と同じく、坂元 裕二氏の作品もほぼ観たことがない。
カンヌに惹かれた訳でもなく…やはり、映画館で流れていた予告がよかったのだろう。「怪物」とは何なのか、誰なのか、その事実を知りたいと思わせる予告に惹かれて鑑賞。
序盤から引き込まれた。最近の流行りなのか、それぞれの視点で物事をみせてくれる。それぞれの視点、それぞれが心に思っている、持っているベースに事実が重なり、物語が進むにつれて、事実は事実でも受け手にとって何が真実であるかが変わることの何とも言えない切なさというか、もどかしさというのか…。観ていて辛くなり泣けてきてしまった。
正しい、正しくない。幸せ、幸せではない。幸せの形は人それぞれなのだと、事実と真実、事実はひとつで真実は複数あるということを痛感させられた作品でした。
坂本龍一氏の音楽と綺麗な映像。ラストをもう少し長く観せていてもらいたいと思いました。
「怪物」観てよかったです。他の是枝監督の作品を観てみようとまでは思わなかったですがw
前半は面白かったが。。
ただただ魅入ってしまうと思います
そういうことね。。。
もともと、キャストが好みなこともあって観に行くつもりの作品でしたが、カンヌで脚本賞撮ったことでさらに気合を入れて観に行きました。
間違いなくよい映画です。「怪物だーれだ」もよく利いていて、うまい作りです。
ただ、「カンヌで脚本賞」なのですが、要するに「藪の中」的な作りに対する評価なのか、と気づいた段階でだいぶ脚本&ストーリーに対しての興味が薄れてしまって、やや物語にハマリきれずに終わってしまいました。
とはいえ、俳優さんの演技は素晴らしい。子役2人もスゴいですね。
かれらのパートのキラキラだけでも、オジさんにはまぶしかったです。そのキラキラと社会の「フツウ」のギャップが耐えられなかったのかな。
ミステリー×超絶青春映画。真の怪物とはなんだったのか?
「かいぶつだーれだ」と、真の悪人を探していく『告白』みたいなミステリー映画かなと思ったら、思いのほか青春映画だった!
観終わったあとは、2人の世界の余韻に浸るとともに、怪物の実態について1人で悶々と考えてしまった。
全てについての答えをださずに、観客に考えを促させてくれる余白のある、素晴らしい映画だった。
1章では安藤さくら演じる母の視点で物語が描かれる。
息子の中に怪物が潜んでいるのか?
やはり担任の先生が怪物なのか?
星川君も、良い子過ぎるのがどこか不気味で怪しい…
校長先生も酷い人で、怪物のようだ…
と、取り囲む全ての人が怪物のように見える。
必死にもがく安藤さくらに全力で感情移入させられるし、一緒になって「息子は実はいじめをしていたのではないか?」なんて考え込んでしまう。
担任も校長も学校も本当にクソ。息子の行動が突拍子なさすぎて「なんなんだコイツは!!」と思う。
難解な点が多過ぎて、めちゃくちゃ引き込まれる第1章。
2章は担任の先生の視点。
1章の母の視点とは大きく異なる印象で、同じ出来事が描かれる。
1章では難解だった先生の行動の真意が、種明かしをするかのように明かされていく。
私と職種が似てるので、これまた全力で感情移入した。
子どもに親に同僚にって、色んなことを言われて板挟みになって…やってらんねぇよなこの仕事!
職や恋人や社会的な居場所を失ってもなお、「子どもを助けたい」「謝罪をしたい」と必死になって探す先生の姿は美しかった。
子どもたちの世界は、見えそうで本当のところは見えなくて、何を考えているのかわからない行動ばかり…!ここも共感ポイントだった。
3章は、息子のみなと視点。
大人たちの視点からは全く見えていなかった、子どもたちの社会や、少年2人の関係、など真実が見えてくる。
少年2人の秘密基地が、秘密の関係が、あまりに美し過ぎてもう直視できないくらいだった…。刹那的でキラキラしてて、心がギュッとなる。
1章2章では全く想像だにしなかったセクシュアリティの問題に少年たちは直面していたんだということを知って驚いた…。
(セクシュアリティの問題といってしまうと、そのテーマがメインで扱われているみたいなイメージになってしまいそうなので、少年の抱える心のモヤモヤの1つがたまたまセクシュアリティに関連するものだったという方が近いのかもしれない。)
大人はついつい子どものことをなんでも把握している気になってしまうし、なんでも打ち明けてくれるだろう(そんなに深い感情や考えはないだろう)と思ってしまう。
でも子どもにだって、そう簡単に人には言えない、例えばセクシュアリティの問題であったり、例えば家庭内での虐待であったり、例えば教室の中の社会の問題と日々戦っていることもある。
この映画の意図や大きなテーマとしては、「誰かの視点から見たら誰だって怪物である」みたいなことが言いたいのかなと思いつつも…
個人的には、「教室全体を取り巻いていた空気感」が1番害悪な怪物の実態だったのではないかなと思った。
いじめをする生徒たち、そしてそれを黙認する生徒たち、次は自分がターゲットにされるかもしれない…そんな緊張感のある教室そのものが、怪物だったように思う。
そしてそんな怪物は、この映画の中にだけじゃなくて、結構な割合の教室や子どもの社会の中にいるのではないかな。
いじめやそれを黙認する空気感、擁護したら次は自分がターゲットにされる…、少なくとも私の過ごした子ども時代の教室は、8割がたそんな実態があった。今も昔も、いじめの割合ってどうしても減らないと思う。
どんな子どもでも、大人にはわからない怪物たちと日々戦っているのではないかな。
謎の多いミステリーな展開で一気に引き込まれる前半。
少年同士の友情と刹那的な美しさ、少年の心のモヤモヤや繊細で感情などなどに目を奪われる後半。
前半があったからこそ、後半の青春映画の要素が陳腐にならず、輝いたのだと思う。
トンネルを抜け、「生まれ変わるための電車」に乗って、地下を抜けて草原を駆け抜けてホワイトアウトしていく終わり方、2人は亡くなって「生まれ変わった」のかなと思いつつも、それを信じたくない自分もいる…。
色んな部分で、答えを見せ切らずに観客に考える余地を与えてくれる、長い余韻に浸れるいい映画だったなと改めておもう。
放火魔の犯人は?校長先生の真実は?と、一度観ただけでは私の頭では理解しきれないところがあったので、他の人の考察も読んでみたい。
わーーーーっと色々思うところがあって、まとめきれない感じもあるのですが、それほどこの映画は良い作品だったということです!!!ここまで読んでくれた方もしいらっしゃったら、駄文で本当に申し訳ない!!!解釈違い存分にあると思うので、ノベライズ版も読みます!ありがとございました😭
映画は1人で,入り込んで。
一面から見ることの危うさ
母親から見る視点
子供から見る視点
担任から見る視点
校長先生から見る視点
違う視点から見ると、登場人物がまったく別人に見えてきます。
私はつい、「誰が悪いのか」と決めつけて観てしまいがちでしたが
一面から見ることの危うさを感じました。
普段から何事も多面的に見ようとすることが大事ですね。
子供たちの、少年らしさは残しつつ
大人になりつつある段階の繊細さが
とてもよく表れていて良かったです。
この年はまだまだ子供と思ってしまいますが、
実際はよく大人を観察していて
気を使っているし、
大人の事情もちゃんと理解していて
自分をうまく適応させようと必死にもがいています。
なんだか私も自分の子供のころを思い出してしまいました。
ラストについては希望ですが
いい方に捉えたいです!
理解不能なもの=怪物
真実は人の数だけ存在する
母親、教師、子供の視点から見た違う情景の同じ物語が描かれます。現代の"羅生門"、もしくはシリアスな"カメ止め"といったところでしょうか。この手のお話しは如何に綺麗に破綻の無い仕上がりとなるかが肝ですが、三者三様の真実が矛盾無く描かれ、中々見事な出来でした。
演技に関しては田中裕子さんの怪演が作品全体に流れる不穏さの良いアクセントになってたように思います。
ラストの子供達のシーンを観て、彼等にとっては「ちょっと刺激的な思い出」程度の事かもしれないなとも感じ、つくづく他者の主観は他人には計り知れないものだなと思いました。
※ラストシーンは二人が死んでしまった情景というのが正解かもしれませんが、私は生き残った楽観的な解釈としました
ありそうでない展開
想像を超えた映画
思えば冒頭で気が付くべきであった
観終わってしばらくしてから、校長先生とホルンやトロンボーンを吹くシーンで何となく感じた違和感、唐突さの正体に気付いた。そうかあれは「トゥーバ・ミルム」不思議なラッパなのか。ということは冒頭はやはり「ディエス・イレ」怒りの日、なのだな。坂本龍一は二人の少年への鎮魂歌にことよせて自らのレクイエムを書いたのかもしれない。ううむ。気が付いてしまったので確認のためにもう一度観ることにしよう。
心?
レビューを読むな
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