「繊細な描写の中に大袈裟な演出あり」怪物 まままさんの映画レビュー(感想・評価)
繊細な描写の中に大袈裟な演出あり
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羅生門のように、同じ時間軸の出来事を違う視点から繰り返すことで、全く違った捉え方になるという話
保護者目線での、クズ教師と不安定な息子
教師目線での、モンスターペアレントと生徒のいじめ
そして最後に子供目線
自分からは見えない他者の一面、背景があるのだという、他者理解の根本。
それが最終的には大人からは到底見えない子供のセクシャリティやその葛藤に達する。
とはいえ、その視点間のギャップを演出するように、明らかにやりすぎの演出がなされている。
例えば保護者目線からの教師と、教師目線からの教師が、到底同一人物とは思えない。
主観を演出に反映しているのかもしれないが、それを加味しても違和感しかない。
教師目線の教師が、保護者の前であんな話し方や、ましてや突然飴を舐めたりするわけがないことは視聴者が一番わかる。
異常者のようだが、実はありふれた人間の1人でした、をやろうとし過ぎて過剰な異常者演出になっている印象。
息子もそう。保護者目線で見られた混乱は、本来本人目線ならそれ以上の混乱であってしかるべき。
ただ
映像や音楽、何より子役の演技は、圧倒的。
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