「カンヌ脚本賞おめでとうございます」怪物 フレンチクローラーさんの映画レビュー(感想・評価)
カンヌ脚本賞おめでとうございます
カンヌで脚本賞を取ったという事で、ハードルがあがりきった状態で視聴
本作は主に三つの視点で一つの時系列をリフレインさせて真実を浮かび上がらせる手法を取っています。視点による印象の違いを強調するためのギミック(先生の飴とかね)に少々あざとさを感じるものの、エンタメ作品としては許容出来る範囲。終盤、真相究明のカタルシスを重視するより裏で流れていた秘密のドラマにフォーカスする作劇からは、一流の非凡さを感じました。エンタメ寄りで文芸のエッセンスも少し足されてるくらいのバランス感覚、好みです
言ってしまえば「浦沢直樹作品」をフックに「少年時代」が始まる作品と言いましょうか(浦沢直樹作品のテイストは韓国映画にも継承されているので、そっちを感じる人のほうが多いかも)。竜頭蛇尾に終わりがちな浦沢直樹作品の欠陥を回避するにはこんなやり方もあったのかという驚きもあり。面白かったです
コメントする