「モンスタ-ランキング! 一体どのキャラが一番 怪物なのかな」怪物 The silk skyさんの映画レビュー(感想・評価)
モンスタ-ランキング! 一体どのキャラが一番 怪物なのかな
------- VOL.3 -------
嘘、噂、偏見、思い込み、欺瞞、差別、格差、偽り、欺心、保身、慢心、軽蔑、放任、忖度、媚びへつらい・・・憎悪の数々
これらを総称し、吹聴し そして最後に「知らんけど!」(;^ω^)
★モンスタ-ランキング★ ※感じた事言いたい放題ですみません。
第5位:麦野早織
母親だけど、旦那が女作って逃げて死亡。女作らせる原因あり?
過保護な一面。何度も学校へ面会に行き謝罪させる。やはりモンペかも。
子供の話を素直に聞きすぎたのが一因。
校長室での一幕は大爆笑の展開であった。
第4位:星川清高
父親だけど、妻が失踪。男作った?その原因ありかも。
子供を放任し過ぎ。また心身共に虐待を行っていると感じる。
息子を豚の脳人間、女みたいだと蔑む。息子への愛情の欠片も無い。
昼間っから酒飲む。粗暴な親父。初対面の担任の先生への態度は良くない。
第3位:保利道敏
あんたバカ~て思える程のお人好しの 謝罪場面にそして会見。
とにかく 謝り最中にいくら緊張をほぐす為とはいえ、それを緩和するのに
飴食べるとは。彼女に勧められたらとはいえ、場所とタイミングを弁えろ。
ちょっと抜けてる。マジでガ-ルズバ-でハッチャケてそう。
だから形勢逆転劇みたいな目に遭う。飛び降りしなかったのが幸いのメデタイ人。児童に総舐められてる先生。鏡文字の謎解き文章に気が付いたのだけが冴えてるかも。国語のうんちくキツそう。
第2位:伏見真木子
保身のため?自らの名誉のため?自分の孫を車で轢いておいて、旦那が運転やった事にしたのか。ス-パ-ではしゃぐ子供の足をわざと引っかける。
校長室 机上の写真立てを自分を良く見せる為にアザトク置き直す。
大して音は微妙なのに楽器を鳴らす。音楽先生ってこんな非常識な感じな人が多いのか。何故か子供に興味が無い性格が漂ってて良くそれで小学校の校長に成ったと思う。率先して児童を探しに行かないと。問題解決に対して旗振り役に成れてない。校長室の謝罪場面はマジなら最低な対応だと感じる。
第1位:麦野湊・星川依里
小学生だからといって、シングルマザ-、ファ-ザ-の子供だからと言って
何でも有りではいけない。湊が母へ嘘の保利先生の事を告げ問題化させた。
親に心配させる様では駄目だぞ。親を憎むなら尚更、親の様な振る舞いに成ってはいけないな。父や母を助ける存在にならないとね。
他人がどうなるのか考えないと、巻き込むような事件(放火)は決して赦されるものでは無い。人を好きに成るのは男女関係なく罪では無いよ。愛とはそう言うもんだよ。
豪雨の中、アノ場所が危ないって知ってたよね。あのサイレンの音。
出発の合図な訳がないやろ。親に心配させて探させてはイケないな。どんな遊びをしようが、何処に行こうが 必ず家に帰ってきて”タダイマ”と言わないと。
そして 今より強く生きて行かないと・・・
第0位:是枝監督
毎年周囲に期待されて映画撮ってるのが、凄い事でもあるが、精神病んでいないか心配してしまう。だからこんな作品を撮ってしまうのかもですよ。昔の伊丹監督を思い出す。だから心配しちゃうね。今作はやっぱり過剰演出が目立ってしまい、折角の脚本を十分イカせられなかったと推測するわ。
怪物を撮るなら自ら怪物で無くては無理でしょう。
監督の心の深淵を垣間見た気がします。
次作に大いに期待しております。
------- VOL.2 -------
ラジオでやってた と或るカフェCMを思い出したんよ。
「知らんけど!」編。
当事者の如く周囲には詳しく話して回るけども・・・
話の最後は 「知らんけど!」の言葉。
知っているのか 知らないのか・・・
決定的には言えないけど、最後は曖昧に真相を濁す~
きっとソレだと思うわ。
------- VOL.1 -------
公開初日、台風の影響でどこもが集中豪雨~
何て日だ!(小峠かよォ)
しかし、この物語には この豪雨に関係したシ-ンが有り、心の何処かに、ひょとして あの子達・・・無事に戻れるだろうか、
それとも誰も触れる事の出来ない世界へ旅立ってしまったのだろうか・・・ 今思えば そう思う~。
今日は先日、
第76回カンヌ国際映画祭 コンペティション部門 最優秀脚本賞(坂元裕二さん)受賞の「怪物」を観に行った。
監督・編集:是枝裕和さん
脚本:坂元裕二さん(最優秀脚本賞おめでとうございます)
音楽:坂本龍一さん(ご冥福をお祈りいたします)
MC
(シングルマザ-とシングルファ-ザ-の家族と子供達)
麦野早織(シンママ):安藤サクラさん
麦野湊(息子・星川の親友:黒川想矢さん
星川清高(シンパパ):中村獅童さん
星川依里(息子・放火・イジメ受ける):柊木陽太さん
保利道敏(担任教師):永山瑛太さん
鈴村広奈(保利の恋人):高畑充希さん
伏見真木子(校長・孫轢く):田中裕子さん
正田文昭(教頭):角田晃広さん
兎に角、ちょっと思ってた内容とは違った印象を受けました。
これは 何処の小学校でも起こりうる学級内イジメがテ-マです。
シングルマザ-、ファ-ザ-の家庭の子がタ-ゲットになっててこれを取り巻く クラスの子供達や、担任教師、周りの先生、教頭、校長の対応や 家族の親視点で語られ展開していきます。
・最初、ガールズバ-の入居してるビルが燃え盛る。必死の消火作業。
ここの火災の絵はキレイに非常に良く撮れてたと思う。
原因は何か?事件、事故か分からないがガールバ-に保利先生が通ってる噂話が広まる。事件性と関連性は分からない。しかしコノ火災は意味が有ったと後半に分かる。
・母親(早織)視点で語られる展開。
息子がイジメを受けている様で、しかも担任の先生から。
原因を追究すべく学校へ乗り込む。校長、教頭、過去担任教師が対応で一斉に謝る。全く訳が分からない母親。モンペと思われ兎に角 謝罪作戦にあう。保利先生からも謝罪を受けるが ココの一連の流れ展開が非常にコメディっぽく思えて なぜか笑えてくる。真面目にやってるんだけど可笑し過ぎだよ~。
特に飴食べ出す先生を見てギャグかと思えた。(後に理由が分かるのだが)
演出が少し過度と思われます。
・保利先生の視点展開
児童の母が乗り込んできて、説明しに行こうとするが教頭らに止められる。児童イジメ(麦野 ⇒星川イジメる)であったと勘違いしてしまう。先生に豚の脳だと、耳を引っ張られたとか言うが、この事はすべて麦野の嘘である。
周囲の先生から謝罪するよう勧められたが全く道理が通ってなく納得がいかない本人。しかしこの件が問題視され、保利先生が校内で窮地に。
学校を追いやられて雑誌にまで載る羽目に。恋人も離れていってしまい学校の屋上から飛び降り自殺をする手前まで行き・・・留まる。
ココの展開は あれよあれよとアッと言う間に先生が窮地になってて、非常に噂は怖いなと感じた。ビル火災の噂話とか、事件の真相を誰も確かめず決定打を下す~、この心理性が正に怪物を生み出すんだと思う。
・麦野と星川の視点展開。
元々二人は友達でもなく、仲良くはない。
星川は前の学校でもイジメられていて、コノ学校でも嫌われていた。また転校に成ると考えていた。楽器を返しに一緒に行ったとき隠してたお菓子を星川から貰った。そっと髪(頭)を星川が撫でてきた。話しかけて来ないでとお願いして部屋を出る麦野。イジメが自分にまで及ばない事を思っての事と思う。彼は家へ帰ってから彼が触れた髪の毛をハサミで落とす。この時点では縁を切りたかったのだと思う。
女を作って母と自分を置いて出て行って死んでしまった父を持つ麦野。
同じ様に自分と父を置いて出て行った母を持つ星川。
お互いの不幸な境遇が彼らを引き寄せ、やがて親友になって行く。
相手の事を思いやりつつも、イジメに遭う方、それに巻き込まれない様にする方。お互いがお互いを庇い合って生きていく・・・ここが一つのポイントかと。
確かに男の人に興味が有ったかも知れない星川だが、過度とは思えない。母の愛、父の愛を受けられず育った子で有ったため 甘えたかったのではと思う。
少年なら誰でも良くやる秘密基地ごっこ。彼等の心の希望、旅路をひた走る 廃墟化した車両。ここの空間だけが二人にとって、誰からも手が届かない世界であったのだろう。
・やがて・・・
保利先生は 偶然にも星川作文の鏡文字の謎を解いた。
そして、麦野と星川との仲を誤解していた事。
クラス中の皆と二人の関係性の本当の姿に気がついたのだった。
豪雨の中、麦野邸で大声で麦野に真実を理解したと話しかける保利先生。また母親も出てきて息子が居ない事に気が付く~。
そしてそれは、その時が既に遅かった事を語っていたんだと~
今、それを大人達が初めて気付き、二人の行方を探し追いかける。やがて秘密基地が有った土砂災害の現場。流し圧し潰された廃墟車両。
泥で真っ黒の窓。手で拭いても直ぐ泥で塞がれて。
激しい雨が泥をハジク。そこだけが銃の玉が当たった様な表現。
何度も 何度も そして何度も。
彼等の乗った車両の窓、心の窓を大人達が必死に開けようともがく。
ココの描写は素晴らしかった。本当に良く出来てたと感じます。
そして やっとの思いで開けた心の窓の奥に・・・見得たもの、
大人達と、子供たち二人に 最後に訪れたものとは。
ここのシーンは 皆さんの心の目で確かめて
欲しいと感じます。
ご覧頂いた方々が怪物に成らぬ様、
祈りを込めて 坂本龍一さんの最後の音色が
エンディングを優しく包み上げています。
ご興味有ります方は
是非、劇場へどうぞ!!