「怪物の啼き声」怪物 uzさんの映画レビュー(感想・評価)
怪物の啼き声
冒頭、火事を見てはしゃぐ麦野母子に軽く嫌悪感を抱く。
学校側とのやり取りでは正しくも見えるが、その違和感が頭の中に残り続けた。
保利も校長も依里くんも、最初に各々の異常性を見せた後に善性を提示してくるのです。
そういった奥行きと反転が非常に上手い。
安藤サクラの自然さ、瑛太の絶妙に怖い笑顔、田中裕子の生気の抜け方、何より子役2人、特に依里くんが抜群。
身近にも覚えのある女性的な男子で、しかもいじめに(我慢でも諦めでもなく)頓着しない難役を見事に演じていました。
屋根の上で保利が聞く(後に校長と湊が奏でていると分かる)管楽器の音が、怪物の啼き声に聞こえる演出は最高。
しかし、そもそもの発端である湊が「保利に豚の脳と言われた」と騙った理由が分からない。
保利が飴を舐めたのもやりすぎだし、校長が失意の中とはいえ学校の対応があまりに杜撰。
子供の行動に逐一理由はないし、湊と依里の友情は二人にしか分からないものでもいい。
だが誰も見ていないトイレで助けなかったのはサスガに解せない。
物語としても、事態の真相に気付き、最後の“転”に入ったところで梯子を外されてしまう。
湊と依里の生死をボカしたかったからその後が描けなかったのだろうか。
更に、制作陣の意図とは別に、クィア問題を絡められると「またか」と辟易してしまう。
物事を一側面から見る危うさは手垢がついているが、悪意すらなく噂や嘘を流す罪深さも含めて印象的。
女子生徒の件は、「猫(の死体)で遊んで」たけど「殺してはいない」ということかな。
失礼します
共感ポイントありがとうございました
リトルマーメイドの件もそうですが、今作のクィア視点も、"食傷気味"が散見されていてお気持ちは充分理解します
でも、一番恐いのは波長のように、同じ大きさでよりもどしが起る危険性かと思います
uzさんコメントありがとうございました!!!
同級生の女の子、もしかしたら湊の事が好きだったんでは?自分に無関心な湊に腹が立って、庇ったりちゃんと説明したりせず、中途半端な情報だけを伝えて結果混乱を招いた。。のかな?とか。もう考察なのか妄想なのかわからなくなっている私なので、見当違いならごめんなさいw
コメントありがとうございます。
瑛太の絶妙に怖い笑顔! まさにその通りです(笑)あの演技の加減がすごかったです。
LGBTQを絡めるのは、正直私もちょっと食傷気味ですね。本作の場合、監督はそういう意図はないみたいなことを言っていますが、そうとも取れる撮り方だからクィア・パルム賞を撮ってるわけで……賞はそのままもらうけど、説明を求められたらLGBTQを描いてはいないと言う。ちょっと謎です(皮肉)。
こんばんは。uzさんのレビュー、うんうん!そっかぁ〜!ほほぉ〜!!と1人興奮して読みました(^。^) 最初に異常性を見せた後に善性を提示。奥行きと反転が非常に上手いの所、、痺れました!!! 仰る通り、観終わった後の今になってじわじわ効いてきています!! 私も管楽器の音の演出は好きでした♪ そして、もっと絡んでくるかと思われた野呂ちゃん。適当な事言ってダメですね笑 でもすごく現実的で、、私の日常にも良くこんな事あります(^_^;) 悪意なく垂れ流される噂や嘘も本当に罪深いですね。気をつけないとと思いました。uzさんのレビューを読んでこの作品、少し好きになってきましたw 又お邪魔します♪