「人生の交差」怪物 berkeleyさんの映画レビュー(感想・評価)
人生の交差
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怪物
群像劇として緻密なことは勿論、ありがちなクレーマーという言葉を教師側から先に引き出しておいて反感を買い、一部その通りに視点をひっくり返すところに、演出の別格さを見る。
加害者は大人達で、子供達でもある。
どうしようもない場所で抗う、教師達の諦めに覆われた眼には意味があり、そして別の表情がある。子供達の天才性と残酷性は、そして大人の「世界」とは相容れない。
後半は救いのストーリーでも、保利先生と依里少年の酷く張り付いた笑顔が心に残る。
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humさんのコメント
2023年7月4日
こんばんは😊
たくさんの共感をありがとうございました。
本作のレビュー、天才性と残虐性についてのくだりがとても印象的でした。思い出しながら頷き唸っております。。。
みかずきさんのコメント
2023年6月28日
客観的に作品を考察し、自分の主張を論理的に簡潔に述べた見事なレビューですね。相当、文章を書き慣れていると推察します。
私は、本作は、真実の多面性ばかりではなく、性の多様性に不寛容な日本社会にまで踏み込んでいる作品だと理解しました。
もう一つ隠されたテーマとして、当時者と第三者という視点も感じました。この場合、第三者とは我々観客のことです。
例えば、あの父親は子供に無理解だと言えるでしょう。しかし、我々があの父親だったら、当事者だったらどうだったんだろう、性の多様性を許容できるだろうか。結局、今の日本社会は、性の多様化については、諸外国に従っているだけで当事者意識が希薄です。当事者意識を持って問題を考える視点が大切だと感じました。
では、また共感作で。
ー以上ー