「届け!子供達へ」怪物 ミカさんの映画レビュー(感想・評価)
届け!子供達へ
一人の母親の視点では、保利はモンスター教師だが、一人の教師の視点では早織はモンスターペアレントだ。教師の視点から見ると湊と星川君はいじめっこといじめられっこかもしれないけれど、湊と星川君は互いに互いを大切に思ってる。観客からは、校長先生が無情に見えるし、保利の婚約者は薄情に見える。しかし、それは観客の視点から見ているだけに過ぎない。
人間は、○○という単純な一言で片づけられるはずがない。もっと、多面的であると思う。
しかし、私達は普段の生活でもモンスター社員、モンスター上司、モンスタークレーマー、毒親、親ガチャと、いわゆる怪物探しに勤しんでいる。自分に辛いことがあれば、身近な怪物のせいにすれば良い。知らない怪物が出てくる事件が起これば、メディア越しに怪物を見て、炎上したりする。
つまり、私達は他者は怪物だと思わされる社会に生きている。多数派と違うだけで怪物になってしまう。
湊と星川君はそんな嫌な世界から楽しい世界へと冒険を始めたのだろう。それは、決して死を意味するものではないと思う。だから、子供達は安心して自分達の世界を壊されずに仲間達と冒険をして欲しい。そして、本作がそんな子供達に届いて欲しいと思う。
SAKURAIさん
アドバイスありがとうございます。
一回観ただけでは分からなかったです。
夜の場面は暗いし、過去だか現在かと、時間も前後して、
ヨリ君とミナト君は約束してたんですか?
トンネルで夜待ち合わせ、かとヨリ君は大胆ですね。
本当に惑わされました。
ラスト。
明るいピアノ曲のように、子供たちが生きていてほしいですね。
ただヨリ君と離れ離れは辛いですね。
仰る通りラストシーンは子供たちがこんな社会から解放されて自分に正直に生きられる社会になるよう希望を託したように感じました。
さすがに是枝監督だけに教師たちの沙織に対する応対が今の政府による国会答弁を見てるようで吹いちゃいましたけどね。特に「外出」とはのシーン。