「かいぶつだーれだ?」怪物 零メンさんの映画レビュー(感想・評価)
かいぶつだーれだ?
映画館の特報で観た時から気になってた作品。特報の最後に「かいぶつだーれだ?」と一文字ずつ出てゾワッとした。きっとホラーやサスペンスみたいな怖い作品だろう。
でも、実際本編を鑑賞した時に騙されたとの感覚に陥った。何故本編と違う印象を持たせるのかと!
作品を鑑賞していくなかで、「誰が本当の怪物なのか?」、「怪物はいるのか?」等、自分の視えている虚実入り混じった主観により、考えが二転三転する。それぞれの立場でそれぞれの主観や考え方に共感できるところがあるからかもしれない。
でも、それは当事者達は当事者の虚実入り混じった視点のみしか持っていないため、良かれと思ったふとした相手への気遣いさえも、受け取る側には気遣いにならないということにも気付かされた。
また中盤に、扉があって前に進めない線路のシーンがあったが、単純に線路を人生の線路・レール等のことを言ってるのかと思ったが、内容からレールに沿ってないと思う人もいるこの子どもたちを表現するのに違和感があった。
しかし、ラストに子どもたち二人が楽しそうに走って行く中で、中盤にはあった扉がなくなっており、その先にも進めるようになっているシーンで映画は終わる。
僕は、大人たちのレールに従わないと「怪物」のままである子どもたちが、親のために自分の「将来」の扉を閉じていたものが、二人が亡くなったことで、怪物から開放され、子どもたちが望む将来へと繋がる線路へ進めるようになったのではないかと感じた。
とても考えさせられる映画だった。
ところで、感想を書いているのはあくまで僕の感想であり、共感してくれた方には感謝しますが、それを無条件に受け入れることは、作品の内容に沿うのでしょうか?作中の大人たちと同じかもしれません。
レビューの冒頭で書いた映画の特報の件は僕の先入観でこんな映画だろうと思ってたのは、視えていない部分が多くあり、一部分を視ただけで、主観によりわかった気になっていただけかもしれないと考えされられて、なんて素晴らしい特報だったのだろうと考えを改めホラーよりもサスペンスよりも怖い作品となった。
「かいぶつだーれだ?」