「子供たちよりも教師が気の毒に思えてしまう」怪物 tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
子供たちよりも教師が気の毒に思えてしまう
1つの出来事を、異なる主観から何度も描き直すという手法は、決して目新しいものではないものの、同じ場面の繰り返しがほとんどないため、そこから生じるテンポの良さに引き込まれる。
その一方で、3つの時系列を頭の中で1つに再構成しようとすると、時間が一致しているところを認識しにくいために苦労する。
結局、それぞれの見方を変えると、母親が教師を見る目も、教師が子供たちを見る目も間違っていたということなのだろうが、それでも「怪物」の意味は、最後まではっきりとは分からなかった。
「怪物」とは、誤解や思い込みから、それぞれが頭の中で勝手に作り出すものということなのだろうか?
それにしても、学校側の対応の描写は、あまりにもお粗末さを誇張し過ぎていて興醒めしてしまう。穏便に収めたいという姿勢や、隠蔽とか保身とかの体質を強調したいのは分かるが、その分、リアリティが失われてしまったのは残念としか言いようがない。
子供たちが、本当のいじめっ子を告発しないのも腑に落ちない。自分たちの恋愛?感情を隠したい気持ちは理解できるが、そのことと「いじめ」とは別問題なのではないか?
すべての発端となった子供たちの「嘘」は、先生ではなく、いじめっ子にこそ向けられるべきではなかったのかと思えてしまうのである。
何も解決していないのに、無理やり美しく終わらせようとしているかのようなラストにも違和感が残った。
田舎の小学校には都市部で問題のあった教員が回されてきます。
病んだ先生たちのリハビリかって思うような経験をしました。(PTA役員として)
この映画の先生たちは極端だと思いますが、ないことはないです。
東京03の角田さんをわざわざキャスティングしたってことはそういう意図があるんだと思います。
私のいたところの教育委員会では、何らかの問題の兆候がみられたら、管理職は教育委員会に報告することになっていました。隠して後から発覚したら、処分対象になります。まず報告しておかないと大変です。
また、保護者から直接教育委員会に連絡が入ったら、管理職宛に電話がかかってきます。
他の教育委員会のことはわかりませんが。
実際に、この映画のような対応をする学校もあれぱ、まったく違う対応をする学校もあるということでしょうか?
この映画とは違い、子供たちの問題に真摯に向き合ってくれる学校が増えることを願うばかりです。
元教育関係者です。あの学校の対応が普通ですか。私の周りではありえないです。どんなお母さんでもあの対応したら激怒するでしょ。私はあのシーンはコメディかと思いました。そしてイジメ対応放置はやめて欲しかったです。
いじめっ子の事を言ってしまうと、いじめの原因が明らかになってしまう。
気付いてくれる事を期待して作文に込めた告白に、気付いてもらえなかったから、軽い気持ちで先生だと言ってしまったのではないでしょうか?
学校が、「先生が無難に勤務できる事なかれ主義の組織」になってしまっているということですね。
日本の教育はどうなってしまうのだろうと、暗澹たる気持ちになります。
トミー様
確かに、バッドエンドにするよりもハッピーエンドにした方が後味は良いですね。
他の方がレビューされているように、あれは、2人の死後の世界を描いているのだという解釈もありますね。
いばねま様
そうなんですね。
あんな杜撰な対応をしたら、親を怒らせ、火に油を注ぐことになるのは目に見えているのに、実際に、そういう対応をする学校があるのですね。
考えを改めました。
ありがとうございました。
失礼します
今社会に於いて、今作品に描かれる学校の対応、リアルでしたよ 具体的には話しませんけど、普通にこういう感じです 勿論、貴殿の周りではそういう世界観は無いと言われればそうでしょうし、しかし、現実にはある世界です のらりくらりとかわされるリアル、体現されなかったこと、幸せです