「さぁそろそろ流れて進もうか」水は海に向かって流れる movie mammaさんの映画レビュー(感想・評価)
さぁそろそろ流れて進もうか
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すずちゃんの喜怒哀楽を鑑賞。
水=涙、
捨て猫=榊千紗
女親に捨てられた10年前から千紗の気持ちは止まったまま。ちゃんと働いてご飯作って食べて、生きてはいるけれど、境遇への怒りはそのままだし、20代後半として恋愛したり他者との関係性を築いたりができなくなってしまっている。
でもそのシェアハウスに運良く、母親の不倫相手だった男の息子が転がり込んできた。
同居していた漫画家の甥っ子らしい。
何も知らなかった男子校生の甥っ子も、父と千紗の関係性を知り、千紗に素直に寄り添い、抱えていた感情を紐解いて、ほぐしてくれていく。
気付けば母の不倫相手の息子も、千紗を好きになっていた。
結局、世代を超えて惹かれあっちゃうDNAってあるよねとも取れるし、親同士のしがらみ関係なく成立する交流もあるよねとも取れるし、癒えない傷と思われた涙も時間をかけていつかは大海にたどり着いて晴れるねとも取れる。
すずちゃんだったら、たとえどんな境遇でも味方はつくよねと思うが、だからなのかいっつも捨てられた系の役ばかりではないか?
溌剌天真爛漫高校生が続いた後は、声を低くして、複雑な環境で育ったがゆえに大人で少しさめた物の見方をする人物役に徹している。
もっともっと色んな役が見てみたい。
止まってしまった人生の針を、事情を知った周りがちょうど良い距離感で少しずつほぐしていく過程が癒しになり、千紗は新しい家庭で過ごす母との対面には撃沈したが、前に進めていくのだろう。
父親の親友の学者とシェアハウスとか、お父さんにとっても安心な環境でじっくり考える時間を人生で持てたことは大きな糧となるだろう。
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