「ゆるり〜とした気分で観れた 🐈⬛…」水は海に向かって流れる humさんの映画レビュー(感想・評価)
ゆるり〜とした気分で観れた 🐈⬛…
夜の雨に濡れる小さな駅。
色とりどりの傘がポンポンと開き帰路へと散る。
鮮やかなジェリービーンズを思い出すそのポップさに反して、不安気な表情の直達を初対面の榊さんが無愛想に迎えに来る。
シェアハウスの明るく個性的な住人の様子。
榊さんがガサガサと大胆に料理する姿。
直達のピュアでちょっと鈍感めな雰囲気。
はずむように漂う高校生達が放つ甘酸っぱさ。
なんだかおもしろそうな要素が、榊さんの無機質に調整された固い表情と並行したまま物語は進む。
榊さんの過去を知らずに戸惑う直達は、そこに自分にも関わる接点があることに気づく。
榊さんを助けたい気持ちは、彼に少し背伸びをさせるのだが、そこには届きそうで届かない絶妙な距離を感じながらの淡い気持ちも絡んでくる。
直達のまだ青っぽい空気は、一生懸命なあまりに空回りも起こすのだが、なんとか漕ぎ着いた海辺の朝のシーン。
まっすぐな気持ちが榊さんの背中を押し、封印していたものが解かれたことを波打ち際の笑顔が穏やかに語る。
ほどなくして引越しを決めた榊さん。
聞きつけた直達が教室から抜け出しあわてて走ってくる川べり。
ぽつぽつ降り出した雨が、ダンボールの即席傘の下の2人を近づけたときの明るくやさしい画面の色合いが、自然なそれぞれの今の気持ちをあらわしているようにみえた。
さて、と。
2人のその後は観客に委ねられるのだが…
水の流れのように榊さんはやはりそこから旅立ち、
水の流れのように直達もまたひとつその別れを越えていくのだろうなぁーと私は感じた。
自然に、自然に。
まるで水が海に向かって流れるように。
親の都合に翻弄され愛に対して臆病になった心が、ある巡り合いにより立て直しのきっかけをもらう。
人がかかわりながら生きること、人生の瑞々しい季節を豊かに感じるストーリー。
すずさん演じる榊さんの影の表情に引き締められ、光の表情にやわらぎながら、だんだんとゆるやかな気持ちになるだろう。
共感とコメントを有り難うございます。
おっしゃるように、「なんとか漕ぎ着いた」海辺の朝のシーンが、この映画のクライマックスみたいに晴れやかで素敵でした。
そうです。水は静かな意思も持ちながら、万物に従う訳ですね。
humさん、コメント有難うございます。
直達くんと榊さんは10歳の差ですよね。
直達くんが榊さんに惚れちゃうのは当然だし、同級生のカエデちゃんが負けちゃうのも仕方ないと思います。
ラストのシーンで、榊さんは直達を受け入れるのではなく、ふって欲しかったなと思います。大人の女として。
でも、彼女も16歳から成長できてなかったから、あの場は受け入れちゃったのかな。
humさんの見解のとおり、榊さんは直達くんのもとから去っていく時が来るんでしょうね。
だから、最初からふって欲しかったなと…。
直達くんは、その時さらに成長するのでしょう。
今更すみません。頭割れそうでしたが未だにリベンジできてません。しかし今日時点では細々と上映中6月25日現在。返信してませんでした。ありがとうございました😊