「ハッピーハロウィンとアメリカンドリーム」水は海に向かって流れる uzさんの映画レビュー(感想・評価)
ハッピーハロウィンとアメリカンドリーム
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初期ビジュアルの、物憂げに赤い傘をさす広瀬すずとタイトルから、文学的で静謐な話と思ってました。
唯一その通りだった榊さんが、思いのほかコミカルだった周囲に合流していくようなお話。
広瀬すずが年上役ってのも感慨深いが、“16歳で止まってる”幼さとのバランスが適役でした。
リアルではないが、目線やら歩き方やらで感情を表すのがやはり抜群に上手い。
高校生2人の演技はやや拙いものの、純粋な役柄や周囲とのバランスとしてはむしろアリ。
脇もしっかり固まっている上に、ムーちゃんが映る度に頬が弛む。
直達が父の身勝手さに言及したり、安直に許さないところも好み。
カツアゲして募金箱に突っ込むのは、物理・精神両方にダメージを与えつつ罪悪感を減らさせない上手い手だ。
熊沢父はまだ共感できたが、榊母は最低だったので、罰のバランスも良い。
しかし直達は、榊さんとあんなに密着して封筒を取り合ったり、同じ部屋に泊まっても意識する様子もない。
楓の気持ちにも鈍感だし、恋愛感情や性欲はないのか、と思ったらあのラストである。
唐突だし、そういう話にしてほしくなかったし、楓にいって欲しかったので減点。(せめて返事はちゃんとしろ)
自分は好みだが、マドンナタイプでもないし、特に活きてないので楓のモテ女設定も不要かなぁ。
あと、父が来ちゃうと知った時や榊さんの引越しを知らせる時…ケータイ使えよ、と。笑
シェアハウスの面々ももっと見たかったが、2人に焦点を絞るには仕方がない。
空気感と、細やかな感情の移ろいが気持ちのよい作品でした。
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