劇場公開日 2023年6月30日

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「仲間の一人の為に…」東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 決戦 bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5仲間の一人の為に…

2023年7月2日
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鑑賞方法:映画館

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4月に公開された『血のハロウィン編運命』の前編を継ぐ、2部作の完結編。タイトルの通り、不良どもの頂上決戦となるファイティング・シーンの連続。そこに、これまでの物語の全てを踏襲する中で、タケミチやマイキー達の熱い思いや友情に、心をグッと掴まれる作品となっている。

本作のキーパーソンは、やはり『東京卍会』から一虎を追い、『芭流覇羅』に寝返った場地圭介。裏切ったように見えた場地の本意は、『卍会』のポリシーでもある、常に仲間を想う気持ちであることに変わりがない事を、体を張って見せつけてくれたことにある。それだけに、本作の要となり、この存在感ある場地を演じた永山絢斗が起こした事件には、驚かされた。役者生命の危機となる事件に対して、同情の余地はないが、本当に勿体ない限りである。

前編から『東京卍会』の仲間の裏切りによって、不穏な空気が流れてチームの崩壊の危機がよぎる中、いよいよハロウィンの夜、『芭流覇羅』との抗争の幕が切って落とされる。『芭流覇羅』の一虎の目的はマイキーをぶっ殺し、『卍会』を消滅させること。一方、『卍会』の目的はただ一つ。『芭流覇羅』に寝返った場地を引き戻すこと。その為に、タケミチは千冬と共に、マイキーの命を受けて、事前に場地を説得するのだが、結局うまくいかない。

後半の殆どが乱闘シーンだか、その中に、登場人物達のそれぞれの過去の出来事、心の内を盛り込み、スポットを当てることで、より原作の劇画に迫る効果を生んだ実写化を、実現している。とかくコミックやアニメの実写化は外れが多い中、本作に限っては、出演者も配役になり切った演技と立ち姿で、クオリティーもかなり高く、英勉監督の映画作りの巧みさを感じた。

それにしても、主人公の北村匠海をはじめ、吉沢亮、山田裕貴、杉野遥亮、眞栄田郷敦、村上虹郎、高杉宇宙、間宮祥太朗…と若手イケメンが勢ぞろいの作品。その中で、紅一点のヒナタ役の今田美桜は、熱く男臭さいドラマの中で、出番は少ないが一服の清涼剤となってる。

本作で、『血のハロウィン』は完結したが、タケミチが過去に残り、マイキーを支えていく決意表明をした。そして、ヒナタとの恋愛模様も気になる中で、SUPER BEVERSの音楽が流れ、次作への期待も膨らみ、エンドロールとなった。

bunmei21