「二部作にした意味はあったのだろうか?」東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 決戦 tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
二部作にした意味はあったのだろうか?
前作にはほとんどなかったケンカのシーンが、今作には盛り沢山で、アクションの見どころは多いのだが、それだけに前・後編のバランスの悪さも感じてしまった。
ストーリーとしては、前作では理解できなかった一虎の思考過程が、「敵になれば殺人も正当化できる」ということ(この考え方自体には、説得力がないものの・・・)であると分かるし、場地の謎の行動も、一虎を思いやってのことであると明らかになる。
その一方で、歴史を変えるために過去に戻ったはずのタケミチが、決定的な役割を果たしているように見えないのは気になる。
確かに、タケミチは、マイキーの暴走を止めに入ってはいるのだが、タケミチが止めなくてもドラケンや三ツ谷が止めただろうし、何よりも、マイキーが我に返った最大の要因は、場地の行動に他ならないのである。
その点、本作の真の主人公は場地であると言っても過言ではなく、これでは、不祥事を起こした永山絢斗に代役を立てるわけにもいかないだろうし、そのまま公開せざるを得なかったということに、変に納得してしまった。
その一方で、タケミチに関しては、その不甲斐なさにイライラさせられることが多いので、「歴史改変」という作品のテーマを明確にするためにも、もっと活躍の場を与えても良かったのではないだろうか?
映画としては、これで完結してしまってもおかしくはないラストになっているが、裏切り者であることが明らかになった稀咲が、まだ三番隊隊長であることに違和感があるし、本当に未来が変わったのかどうかが分からないことにも釈然としないものがある。
前・後編に分けずに1本の映画にした上で、タイムトラベルものとしてのカタルシスをちゃんと感じられるようなラストにした方が良かったのではないだろうか?