配信開始日 2022年12月1日

「私は、これは「あり」だと思う。」トロール いま〜じゅ太郎さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 私は、これは「あり」だと思う。

2025年10月25日
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ちょっと前に、ハリウッド製の有名な某怪獣映画について、「過剰にファンタジーの方に寄せ過ぎて怪獣映画としての面白さを喪失している」というような内容の厳しいレビューを書いたところだ。

そんなところで、本作を観た。これは、ファンタジーの方からアプローチし、怪獣映画の方へ越境せんとした稀な作品であると感じたが、同時にこんな風にゴジラのDNAが波及することがあるのかと意外にも感じてしまい、確かにリアル側からの視点で観れば荒唐無稽な物語だとしても、馬鹿げた作品だと断じることは自分にはできなかった。少なくとも厳しいレビューをした某怪獣映画より遥かに良くできていて面白かった。

この作品を作った人たちが参考にしたどうかは知るところではないが、虚構の存在に政治と武力で立ち向かおうとする人々を登場させ描いているあたりに、『シン・ゴジラ』の影響が色濃くあると感じたことを否定できない。

観た後で気付いたが、フィヨルドの崩壊で発生する大津波を描いた『THE WAVE ザ・ウェイブ』の監督による作品だと知り、こちらも大変よくできた作品だと感心して観たことを思い出した。

怪獣映画をつくるなら何が大事になるのかをこの作品を作った人たちはちゃんと分かって作っている。だからちゃんと面白くなる。そして、こういう作品をちゃんと評価できるオーディエンスでいたいとそんな風にも思わされる作品だった。私は、観るに値する佳作だと思う。

いま〜じゅ太郎