「トロールが可哀そう」トロール k2kpさんの映画レビュー(感想・評価)
トロールが可哀そう
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トロールがひたすら可哀そう。
映画で出てくるトロールはトロール王国の王子?の設定ですが、人間の宗教上の理由で家族を皆殺しにされ、その家族の骸を取り返そうとするも空しく最後は人間に殺される無念なキャラクターでした。
しかもこのトロールが復讐心に狂った理性のない怪物なら、モンスター映画として殺される結末に少しは納得がいくかもしれませんが、なぜか登場するトロール王子はかなり情に厚く、理性的な性格です。
当然家族の敵(かたき)である人間に対しては敵対心を表しますが、基本的に自分以外の動物には見向きもしません。軍隊に一方的に攻撃されたときも、人間の必死の呼びかけに落ち着きを取り戻し耳を傾け、ヘリコプターが墜落して民間人の家族にぶつかりそうになった時は、自身が攻撃を受けている最中でも守るなど、登場するどの人間よりも人格者です。
主人公はそのトロールに対して同情しており、できるなら人間による殲滅以外の道を取ろうとしていますが、結局殺すことになり、しかもそれで周りが笑顔なら自分も満足そうな顔で笑い、さもハッピーエンドという落ちで終了します。
せめてそこは、トロールを逃がすことができなかったことや、人間の都合で孤独にしてしまった最後のトロールの命を奪ったことに対して、周りに流されずに罪悪感や無力感を感じて欲しいかったです(なぜみんなと笑い合うのか)。
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