「人生は夢の中の夢 =映画の中の映画」VORTEX ヴォルテックス とぽとぽさんの映画レビュー(感想・評価)
人生は夢の中の夢 =映画の中の映画
老いるのがすごく怖くなった。という意味で、へたなホラー映画よりずっとホラー。最後まで見てもまったく救われない。
唯一無二のフィルモグラフィーを築いている鬼才ギャスパー・ノエ監督らしい画面二分割。たまに両者の動作が一致することもあれば、実際の距離を超えてまるで相手を見ていたり、その逆も然り背中を向け合っているように見えたりもする。また、同一カット内で突然瞬きのように黒コマがインサートされる瞬間があったが、それが徐々に片方の画面だけで起こるようになって、まるで両者の間を隔て断絶する黒い線のように、心の距離のスレ違いや歩みの速さ、過ごす時間の一致していかないさまを表現しているようだった。そうした2画面ならではの対比や表現が画作りやクロスカッティングばりに生きていた、と思う(ex. ドラッグとドラッグ)。
正直、見るのがツラかったが、不思議と見ているときは画面から目が離せなくなるように見ていた自分もいた。
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