レディ加賀のレビュー・感想・評価
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【”老舗旅館の若女将になるのは大変です。”今作はヒロインの様に直ぐにビールを一気飲みして千鳥足になる如く、物語が進行するが、頑張る人を描いた映画は好きなんだよなあ。タップダンスシーンはナカナカです。】
■由香(小芝風花)は、加賀温泉の老舗旅館「ひぐち」の一人娘。
だが、旅館を継ぐのも嫌で、小学校の時に見たタップダンスに魅了され、黙って上京してタップダンサーを目指す。
だが、夢は叶わず、女将の母(檀れい)が倒れたという連絡を受け、夢を諦め、実家に戻って女将修行を始める。
そして、同じような理由で女将を目指す若き女性達が集った”女将ゼミナール”が結成され、チャラい観光プランナー譲治(森崎ウィン)の思い付きアドバイスの元、タップダンスを活かしたショーの為に頑張るが、譲治は娘の手術のために、ショーの費用を持ち逃げし”女将ゼミナール”のメンバーは、窮地に立たされるのである。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・序盤から観ていると、由香が目の前の壁にぶち当たると、直ぐに逃げる”逃げ癖”のある女性である事が何となく分かる。
・だが、由香は、幼馴染のあゆみ(松田るか)や、康平(青木瞭)と久しぶりに出会い、初めて若女将を目指して頑張るのである。
■ここまでの流れが、笑いに行ったり、ナカナカに千鳥足なのであるが、マア気にせずに鑑賞続行する。
そして、由香は初めて母が自分に厳しかった理由や、母が病だった事、それでも陰ながら自分のタップダンスの初舞台を見に来てくれていた事を知り、心を入れ替えて頑張るのである。
<そして、ラストの”女将ゼミナール”のショーも、ナカナカにハラハラするのだが、由香を演じた小芝風花さんの、ソロのタップダンスシーンはナカナカなのである。
今作は、ヒロインの様にビールを一気飲みして千鳥足になる如く進行するが、頑張る人の映画は好きなんだよなあ、と思ってしまった作品である。
チャラい観光プランナー譲治は、持ち逃げしたお金を返済したのであろうか?クスクス。>
「ダンスシーンが最高に上手い」と言うわけでは無いが "皆の頑張り"...
「ダンスシーンが最高に上手い」と言うわけでは無いが "皆の頑張り" が見える映画。
実際に加賀温泉郷で働く女性PRグループ「レディー・カガ」から着想を得た映画で、2022年6月に石川県加賀市・金沢市にて撮影が行われた。ダンスで温泉街を盛り上げる女将たちの姿を描き小芝風花だけでなく、松田るか、檀れいも魅力的。
2024年1月1日に発生した能登半島地震の復興支援のため、配給収入の5%を石川県への義援金にあてる事にした頑張り映画で、着物姿でタップが美しい。
映画「レディ加賀」製作委員会より
↓
『レディ加賀』は、石川県を舞台にした作品で、 一昨年コロナウィルスの脅威の中で苦労しながら撮影を行いました。
コロナウイルスによる災害の経験からも、 この映画を石川県の観光復興や経済再生の一助に繫げたいという強い思いを持つようになり、 日本が元気になれる映画を制作いたしました。
様々な災害から力を合わせて乗り越える映画でもあります。
『レディ加賀』は地元の温泉街を再生するために若女将たちが奮闘する物語です。
まさかこのタイミングでまた災害が訪れるとは思いもしませんでしたが、 映画を通して伝えたかったメッセージからも、今回の震災を避けて通ることは出来ないと考えました。
皆さんにこの映画を観ていただくことが、 間接的ではありますが石川県(被災地)を応援していただくことに繋がります。
是非、この映画を通じて石川県を応援していただけないでしょうか。
一緒に石川県を盛り上げていきましょう。
何卒よろしくお願い申し上げます。
___________ 公式HPより
タップダンスの是非
シンプルかつ王道
王道だけど…
なんだかな〜
スポ根ものかな。
これも「お仕事映画」?
傾きかけていた家業の温泉旅館を女子力で復活させる―。
目を見張るそのパワーを余すところなく描いている点では、炭鉱閉山の危機から、リゾートセンターを立ち上げる実話を描いた別作品『フラガール』を彷彿とさせる一本にもなりました。
評論子には。
多くがそうであるように、団体旅行から個人(家族)旅行への需要のシフトで、凋落が著しい温泉街―。
関西の奥座敷としての地の利を享受してきた加賀温泉郷も、そのご多分には漏れないようです。
その温泉郷でのホスピタリティの向上と「女将」として必要な知識・技能の向上を目指して開催された「第一回女将養成セミナー」。
忙しい女将の仕事を象徴して、時間制限での身繕いなと、独自のスタイルで、笑いどころにも事欠かなかったようにも思います。
タップダンスで鳴らした由香ならではのアトラクションだったはずですけれども。
そして、渾身のPRイベントも、あわや頓挫の危機に瀕するのですけれども。
しかし、窮地に至っては一転、ステッキをデッキブラシに持ち替えての即席のパフォーマンスというのも、他には類例がなかったかと思います。
(よくぞ、たまたまその場にデッキブラシがあり、かつまた、必要本数が折よくあった…という製作上の都合については、「大人の事情」ということで、野暮なツッコミは、この際は無用というものでしょう。)
いかにも、温泉宿での風呂掃除そのものをイメージさせるデッキブラシをモチーフとした点では、別の面では温泉旅館の切り盛りという「お仕事映画」としての象徴的な意味合いも兼ね備えていたのかも知れません。
観終わって、気持ちが晴れやかになるという点では、なかなかの良作だったと思います。
(追記)
題名から推して、独特のファッションやパフォーマンスの数々で世界的な人気を博していた[Wikipedia]というレディ・ガガ(ステファニー・ジョアン・アンジェリーナ・ジャーマノッタ)に肖(あやか)ってのことと思いますけれども。
本作の元ネタになっていたという観光プロモーションは。
命運をかけたプロジェクトが著名人をパロったというのでは「いかがなものか」という反対意見もあったやに聞き及びますけれども。
たとえ他人の上前を跳ねるかのようなコバンザメ的な商いでも、そこに独自の脚色を加えたのなら、やってみた者勝ち、取り組んだもの勝ちなのかも知れません。
何もしなければ、天国からも「やってみもせんで。」という故・本田宗一郎さんの声も聞こえてきそうだと、評論子は思います。
(追記)
プロの世界では成功しなかった由香のタップダンスでしたが、彼女のその技能なくしては、このイベントはなかったと思うと、一芸に専心した経験というのは、捨てがたいものだとも思います。
そういえば、「芸は身を助ける」という言葉がありましたっけ。
今すぐには役立たないとしても、人生、自分が望む「何か」に専心した経験をもち、それに通じていることの大事さも垣間見えた一本だったかも知れないとも思います。
その意味では、単に加賀温泉郷への応援歌というだけでなく、「人生そのものへの応援歌」という作品でもあったと思います。
ローカルCM的映画
起承転々々々
北陸民なのである程度期待を持って視聴しました。しかし最近退屈な映画は数あれど観てて腹が立つ映画に出会ったのは久しぶりです。
その最大の原因は皆さん記述していますがとにかく脚本がひどい。起承転結のうち起承が緩やかに過ぎていくのに対し転の部分が悪い意味で怒涛のように押し寄せてくる。それを結でうまくまとめればハッピーエンドで終われるのだが最大の見せ場であるダンスシーンもハプニングだらけだし解決方法も強引&おざなり&ご都合主義で全くカタルシスが得られない。この映画を観ると似たようなコンセプトのウォーターボーイズやスウィングガールズがいかにうまく出来た作品なのかが思いしらされます。
役者の演技も誰とは言わないが一部演者が舞台的演技で見てられないし、カメラワークも折角のタップダンスなのにほとんど足元を見せないので失礼ですが吹き替えを使っているのかと思ってしまいました。
気持ち的には星0をつけたいのですが小芝さんの魅力は見ることができたので星一つとしたいと思います。
あんまり面白くない。
前提として
・"レディー・カガ"という活動は、ほぼ知らない。
・雑賀俊朗監督の他作品は未視聴。
・石川県に行った経験は無し。
正直に言って微妙。
まずは、というか(ほぼなのだが)ストーリーが問題だと思う。要素のとっ散らかりがすごい。
各キャラクターの着地点にまったく納得がいかない。主人公である由香が最後に得る学び、母親が彼女に投げかける答え、松村との恋愛模様、他のキャラクターが抱える悩みへの解決(解決してはいないが、解決した風になっている)、花澤という悪役へのヘイト管理……etc。全部納得がいかない。
起承転結の部分は分かりやすく機能してはいるが、そこにキャラクターの心理がついていっていない。
キャラクターたちには記号的な要素が強く、それぞれの障害も分かりやすい。だからこそ着地点は納得できるものであって欲しかったし、後日談的な余韻の部分も欲しい。
低予算感とTVドラマ感(古臭さ?)は否めないが、演出とかカメラワークに関してはまぁ悪くはなかった。
欲を言うと、"YOSAKOIソーラン日本海チーム"のパフォーマンスには一見の価値があったので、もっとカメラを寄せてほしい。序盤のほうだけ見せられても主人公のタップダンスがメインで物足りないし、終盤の盛り上がりにも使えたはず。
由香の最後のタップダンスシーンは本当に素晴らしい。小芝風花さんって本当にすごいんだな。でも終わり方があっさりすぎる。
復興を目的とした作品だからか、名所や地域の良いところを色々映し出している。そういう"地域の魅力"は出ていると思った。「石川県に行ってみてもいいかな」とはなる。
あと主題歌である、眉村ちあきさんの『バケモン』も良かった。
「色々物足りない」と言うか、「なんか違う」と言うか……そんな作品。
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