「圧倒的な起ち上がり」名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン) Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
圧倒的な起ち上がり
話の起ち上がりがメチャクチャ早いのね。
グイグイ引っ張っていかれるっていう。
それで話のピークが、話の三分の一か半分ぐらいでくるんだよね。
灰原がさらわれるんだけど、そこがピーク。
灰原、コナン君、蘭姉ちゃん、阿笠博士がミスなく動く。それでも灰原はさらわれちゃうんだけど、双方が最善を尽くす面白さがあんの。
このシーンでもっとも顕著なんだけど、コナン君の登場人物は、みんな「私はどうなってもいいけど、仲間は助ける」っていう行動原理で動くよね。そこに心打たれる。
さらわれた後はペースを落として、困難な状況をなんとかするために、灰原やコナン君が知恵を絞るのを観てくの。スパイとして黒の組織に入ってる人の協力とかも得てね。
それで「灰原やコナン君の正体がバレちゃう」とか「もしかして灰原、死んじゃうの」とか思いながら観てくんだけど、まあ、映画でそんな劇的な展開はやらないよね、連載に迷惑かかるし。なので、うまいことストーリーはけりをつけてて偉いな。
潜水艦やっつけるところで安室さんと赤井さんが出てくるんだけど、どっちがどっちだか、良く分かんないのね。でもなんか、その辺のポジションの二人が出てきたんだなって気にせず観てた。
赤井さんは潜水艦を鎮めることができるバズーカみたいなやつを、ヘリコプタの上でかついで撃ってすごいね。普通は反動で赤井さんが吹っ飛ぶか、ヘリごとバランス失うかだけど、ビクともしない。
コナン君も大ジャンプを決めたりする作品だから、作中の物理法則は狂ってるんだな。
エンドロールが流れ始めても、誰も席を立たないの。
ここからもコナン君映画の醍醐味だよね。
「そこに伏線あったのか」っていう回収も見せて終わり。
そして、いよいよ来年の予告へ。
ここで観客が「わあ、キッドだ」とか「やった、赤井さんだ」って呟くのを聞くのが好きなんだけど、今回はなかったな。来年は、そんなに目立たない人が主役なの?