ゴジラ-1.0のレビュー・感想・評価
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「ゴジ泣き」! ジャンクなスペクタクル
「生きろ。」
終始、痛みに満ちた作品。
そして、異様に湿っぽい作品。
戦後の動乱の中、帰還兵の主人公の重篤なPTSD症状、所謂「サバイバーズギルト」をじっくり描く。要するに、ランボーが一作目でボロボロになって泣きながら語ってたようなことの派生やね。
もうこの時点でキツいのに、そこからさらに主人公を追い詰める出来事が次々起きるもんだからもう……。
今作のゴジラは、そんな主人公の痛みの象徴的なキャラクター。不明すぎる生態、謎の誕生経緯、やたらメカっぽく動く背鰭など、今までのゴジラより生き物感が薄く、ひたすらに登場人物を追い詰めるための舞台装置感が強い。「ゴジラを倒すこと=つらい戦争の記憶を乗り越えること」になっている。
とは言え、質感や動作、佇まいはとてもカッコ良かったし、怖かった。熱線吐く前に背鰭がカクカクカクカクッ!って動くのがあまりにもロボっぽいと言うか生物じゃなさすぎたけど、それすらロマンあってカッコよかった。
そしてそんなゴジラを、オキシジェンデストロイヤーもないメーサーもない在来線爆弾もない戦後で兵器もないジリ貧の日本人が工夫で倒すってのは熱いものがあった。援軍のシーンとか、ベタすぎるけどマジで熱かった。
山崎貴監督がメガホンを取ると発表された時、SNS等では「ゴジ泣き」と揶揄されまくっていたわけだけど、あながち間違いじゃなかった。今作の泣かせの演出は中々臭う。
「はい!!ここ泣くとこでっせ〜!!!!!!感動して〜!!!!!」
「ここ伏線でっせ〜〜!!!!見て見て見て〜!!!!!」
みたいな描写がそこそこあって、その安易さに苦笑しながらもちょっと感動するみたいな。そういうバランスの作品になってた。
「俺は今ジャンクなものを食べている」と思いながら美味い美味いとマックを食べているような感覚。嫌いじゃない。
感情のジェットコースター
人の生活とゴジラの恐怖が丁寧に描かれていて、感情の揺さぶりが激しかった。
戦後、焼け野原になった日本をなんとか復興し、それぞれの人生が動き始めたところへのゴジラの襲来。ゴジラとの戦いだけでなく、それぞれの生活がしっかりと描写され、成長していく姿が感情に揺さぶりをかけてきて良かった。
最大の見所でもある戦闘シーンも文句なく、人から見たゴジラの表現が最高でした。かっこいいだけで終わらないのがいいところ。
VFXの凄さだけが際立った
ゴジラ好きの友人に付き合って鑑賞。個人的にはあまり期待していなかったのだが、見事にスクリーンに引き摺り込まれてしまった。
映画「永遠のゼロ」を思い出す場面もあったけれど、最後まで楽しめた作品だった。
難点を言えば、出演者の殆どがキレイ過ぎる。敗戦後ならば、もっと荒んだ感じが欲しかった。
ゴジラに何を求めるか
海外でも大絶賛の本作であるが「ゴジラに何を求めるか」で評価が変わってくる映画だと思う。
間違いなく面白い作品ではあるが平成のVSシリーズやハリウッドのゴジラバース様な怪獣プロレスを求めるならこの作品は合わない。
ゴジラという存在の社会的風刺、ゴジラという強大な存在への絶望感、それに立ち向かう人々の人間模様等を面白く感じられるならオススメ出来る。
個人的にはVSシリーズの様なイメージが強いので「面白いけどコレじゃないんだよなぁ」という感想であった。
特に正規軍隊相手でもない民間だけで対策を取ったら割りとアッサリ倒せてしまった?ための強大な存在としてはイマイチな部分と今作のゴジラの野太くアレンジされた「声」が「コレじゃない」部分だと感じた。
とりあえず見る価値はある
率直な感想を断片的に。
CMを見ればまあこりゃ見なきゃなってなりますよね。でもCMで殆どの見せ場出しちゃったので、あれ?もう無いの?これでおしまい?って気がしました。
CGはまあ良く出来てるけど、このゴジラに限らず日本のCGってなんかちょっとチープさが出ちゃうんですよね…なんでだろ…マットさというかボケ味がかな…
役者はみんな下手では無いんだけど、脚本が臭くてイライラする。青木崇高と安藤サクラはすごく良かった。
終盤にかけて先読み出来る展開が続き、やっぱそうなるかというオチに不満が募る。
シンゴジラは見終わっても悶々としてまた見なきゃなってなったけど、これは1回見たらもういいやって感じかな。普通に良い映画でした。
個人的には山崎貴監督の久々の当たり
「ドルビーアトモス」で朝に鑑賞。
個人的にはかなり面白かったです。
国内版で前作に当たる「シン・ゴジラ」と対になる作品として作りながら、
シン・ゴジラの良い部分や気になった部分に配慮が見られました。
個人的に山崎貴監督の作品には言いたい事が出てくることの方が多いのですが、
久々にほとんど文句が出ない作品でした。
山崎貴監督は多分、
「原作やすでに存在する物語の7〜9割をなぞるように作る」という手法と相性が悪いんだと思います。
なので今回のように「ゴジラ」という怪獣を扱う以外の制限があまりなく、
かつ「ゴジラをどう捉えるか」というオリジナリティをストーリーが邪魔することなく描き切れたのかなぁと。
ただ、個人的に気になった部分も少しだけあったのでそこだけ触れます。
◯音楽の使い方
……ちょっとくど過ぎたり大音量で台詞と被せてきてたりしてきてムードが崩れる場面がありましたね。
◯登場人物の台詞回し
……山崎貴監督は「大仰な演技」をさせることで有名ですが、今回は殆ど気にならなかったです。
とはいえ佐々木蔵之介さんや山田裕貴さん、吉岡秀隆さん演じた役の台詞回しはちょいちょい流石にわざとらしかったですw
とはいえこんくらいかな?
かなり面白かったので、怪獣特撮やディザスタームービーに抵抗がないなら気兼ねなくオススメできます。
シン・ゴジラよりも面白かった
たまたまこのゴジラ−1.0を観賞予定と同日にBSでシン・ゴジラが放送されるという偶然が重なってこれも意味があるなと思った。
単純に映画として観た場合自分はこのゴジラ−1.0の方が興奮し時間を忘れて感情移入できた。
ただ一つ佐々木蔵之介の大仰な演技には辟易したが。
戦争があったから繋がれたあなたと私
ゴジラファンでも山崎監督ファンでもありませんが、観て良かった、大満足です。
日本映画の代表作になりえる?と噂もある本作、今のうちに映画館で体感せねば!と思い足を運びました。
ゴジラが迫りくる場面は恐怖よりも、ゴジラの格好良さにワクワク、そして圧倒的な力の差に無力感でいっぱいに。
血生ぐさい描写がないからそう感じるのかも?実際ゴジラに噛みつかれたら手足頭が粉砕して誰だかわからない状態になってしまうでしょうけれどもそのようなグロい表現はありません。
音楽の使い方も絶妙で、何度も耳にしたことのあるメロディーがこの映画を通じて、ゴジラ…圧倒的な力を持つもの、に立ち向かうテーマだということが直感的、感覚的に理解できました。逃げててもムダだ、できることをやるしかないんだ。ということです。
私にとっては人の心が壊れる描写の方が何倍も怖かった。自分はこんな状況で生きる意思を持てるのだろうか?それでも身体(本能)は生きようとするのだろうか?と。
共通の敵がいないと私たち人類は力を合わせることはできないのでしょうかね。。安藤サクラさん演じるスミコさんの存在=日本人の持つ気質が表現されていてとても良かったです。それぞれの役者さんの演技力のばらつきは皆さんがおっしゃるように少し気になる点もありますが、作品自体に影響を与えるほどではないかと。
話の展開もわかりやすく少々説明くさい演出はあるものの変に頭を使うことなく、映画の中にスッと没入できる作りになっています。
何度も観ていたゴジラ映画での初体験!
今まで何本も観ていたゴジラなのに、初めてゴジラに怖さを感じたし、ゴジラの映画で初めて泣けた。
これはシン・ゴジラでも体験出来なかった。
ホントそれ程に観て満足出来る傑作だと思った。
戦争の顔をしたゴジラ
シン・ゴジラは「シン(神)」「ゴッドジーラ」で、嵐や地震、大雨、日照り、疫病の流行など、人がふさぎきれない自然災害の化身だったように思います。
だから無慈悲で無差別ではあるけれど、悪意や敵意は感じなかった。
でもこのゴジラは戦争の化身そのもの。
我々を「敵」と見なし、殺すつもりで襲い掛かってきます。
だからこそ、「戦争を終わらせられていない人」たちが、「今度こそ生きて帰ってくる」という思いを胸に、知恵と勇気を振り絞って倒さなければならなかった。
野田博士の「我が国はあまりにも人命を軽く扱いすぎた。我々は生きて帰らねばならない」というセリフは、この映画の肝と言えるだろうと思います。
でもそれでもやっぱり、佐々木蔵之介演じる秋津淸治の、「誰かが貧乏くじ引かなきゃなんねえんだよ」がとてつもなくかっこいい。
コロナ下において、「なぜ自由に行動できないんだ、政府がなんとかすべきだ!」と被害者面をして、私たち庶民が持てる唯一の武器、マスクさえ放棄する人がたくさんいました。コロナもゴジラと同じような怪物なのに。
それでも医療従事者たちは、最前線で、命をはって戦ってこられたと思います。
まさに「貧乏くじを引いて」いたのは彼らだと思う。
でも、歴史は、貧乏くじを進んで引いた奴らが作ってきた。
貧乏くじにしない勇気と覚悟で貧乏くじを引く人がいたからこそ、今があるのだ思います。
誰もが貧乏くじを引かせてもらえるわけではありません。
だけど、水島のように、銃後で出来ることはないかと知恵を絞れば、大きな力になれるかもしれません。
ゴジラは決して死なない。
だからこそ、私たち一人一人が、私達なりの貧乏くじを探さなくてはならないのだと思います。
未来への願いを感じる作品
シンゴジラと比べられがちな本作品ですが、シンゴジラも大好きな個人としては、エンタメ作品として何度も繰り返し楽しめるのはシンゴジラ、心に残る大切な作品としては本作品でした。
戦後を描きつつも2023年の今を描いているし、その上で未来への祈りや願いを強く感じて涙した。
神木隆之介さんと浜辺美波さんは良い俳優さんではあるが正直、本作品のような映画には荷が重いのでは?と思っていた。しかしわたくしの大間違いでしたね。
並々ならぬ覚悟を感じたし、素晴らしい演技…というより生き様を見せつけられました。
とても良かったです。
歴代最高に「怖い」ゴジラと手堅くまとめたドラマ部分
これまでゴジラは街を襲うが人を襲うという感じではなかった
今回のゴジラは生物的に描かれ、サメやヒグマといった猛獣が人を襲うような恐怖を与える
実際映画前半はジュラシックパークやジョーズのようだ
人との距離が近いこともあって怖さに関しては歴代最高だ
ドラマ部分は手堅くまとめてあり特撮部分とのつながりもごく自然である
もちろんドラマだけ見ればご都合主義、予定調和、ありきたりとも言える
ただドラマ部分はメインではない
そう考えると物語のわかりやすさや万人向けを狙ったものであって、これで十分と言える
むしろ怪獣映画にこれだけ普通のドラマを普通に組み込んだこと自体、これまでにはなかったものとして評価できる
神木隆之介や安藤サクラをはじめとする俳優たちも安定の演技を見せている
ひとつ残念なのは基本プロット(設定)にあまりに無理があることだ
GHQがゴジラ対策から手を引く、というのは百歩譲って認めるとしても、それほどアメリカがソ連との関係を気にしている中、連合国各国が敵国日本に軍艦を貸すなどありえない
ましてや政府でもない民間人にそれを自由に使わせるなど絶対あり得ない
実は陰でGHQに粘り強く掛け合った政治家や役人がいました...といったことをやるとシンゴジラになってしまうのであえて描かなかったのだろうが、一言だけでも説明が欲しかった
ただし残念なのはそのくらいであり怪獣映画なんだからそこは大目に見よう、と思えば十分見れるのであって、映画の価値を大きく下げるものではない
減点⭐️−2、加点⭐️+5億点!めちゃくちゃ面白い
もう最高、本当に最高の映画です。めちゃくちゃに面白くて、とんでもなくおすすめです。
何にが最高って、まずは圧倒的絶望シーンです。例えば「シン・ゴジラ」の何が最高ってったら絶望の内閣総辞職ビームで東京壊滅ですよね?そういう圧倒的壊滅的絶望シーンがこれまた「シン・ゴジラ」に負けないくらいいや超えてるくらいの迫力で出てきますので、もう恐怖におののくわ脳汁沸騰するわで大興奮!!
そしてここで終わってはいけない必須な要素は、そんな圧倒的壊滅的絶望を、人々の協力と知識と努力と工夫で大逆転する激アツ展開ですよ!!例えば「シン・ゴジラ」だとヤシオリ作戦ですよ在来線爆弾ですよ、こういうのがまたゴジラマイナス0.1にはある訳ですよ!!時代は戦後直後のボロクソの日本、じゃあどうやって大逆転させるのか??もうそこの人間模様やらやり方やら激アツなんですよ。
と言った感じで圧倒的壊滅的絶望からのーーーー!日本人まだ終わってないぜええええ!!!展開に胸躍る。そして諸々のミリタリーオタク的にも激アツ要素アリ。脳汁と涙と興奮の渦を映画館に作ってくれるんですよ!
最後のスタッフロールの音楽、そして「音」までしっかり聴いて下さい、「ものすごいもん見てもうた、、、!!!」と映画館の席から10分は立ち上がれないくらい衝撃を受ける事間違いなし!!
観てないあなたは マイナス0.1
観ればあなたも⭐️5億
上映中3回は泣きました
まさか怪獣映画で泣かされるとは!それも3回も!
面白かったと言うより凄かったと言う感想。
とにかくゴジラの絶望感が凄かった。
確かにストーリー的に御都合主義な部分も見受けられたが俳優さんの演技でその御都合主義も吹っ飛んで「良かったーー!」って泣いた。
手に汗握る攻防、主人公の葛藤、戦後を生き抜く人々の奮闘。
冒頭からゴジラを登場させる事によってこの映画の主題がクッキリ分かる。
この映画における主人公の目的が冒頭でハッキリ分かる事によって観客もスッと感情移入出来る。
幾度となくボロボロになりながら絶望の只中に居ながらそれでもゴジラに立ち向かい奮闘する日本人の姿がそこに描かれている。
単なる戦争賛美ではないし、戦争を否定してる映画でもない。
怪獣映画なんだから。でも戦争という我々日本人が生きていくには絶対に切っては切り離せない呪いの様な物にも生きて抗って行くという希望がこの映画にはあります。
とにかく日本人が活躍してる映画なのが心底嬉しい!本当に日本人に産まれて良かった!
すごいかった、が
原点復帰で怖すぎるゴジラを堪能できたが
世界感を出すための前置きが少し長すぎるし
ゴジラの襲撃で死んだと思われた人が生きていて
そのことに何の説明もないなど
少しご都合主義で明不説明足気味かな
佐々木蔵之介さんの演技も素晴らしかったが
声と言い回しに特徴がありすぎて耳に残りすぎたw
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