劇場公開日 2023年11月3日

「レジェゴジほど緩くはなく、シンゴジほど堅くはないゴジラ」ゴジラ-1.0 ミスターKさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0レジェゴジほど緩くはなく、シンゴジほど堅くはないゴジラ

2024年5月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

怖い

興奮

 一言で言えば、それなりに気楽に観られる日本版ゴジラです。
 レジェゴジはまさにアメリカン!といった感じで豪快ですが、そこまで派手なアクションがあるわけではありません(レジェゴジみたいにジャンプはしませんw)。しかしかといって、シンゴジみたいに設定がガチガチというわけではありません(専門用語だらけという事はありませんwww)。
 この映画の設定にはいくつか穴というかツッコミどころも見受けられますが、それを差し引いてもストーリーの簡単さ、単純に画の迫力、そして出演俳優の演技力により、幅広い層に受け入れられる、万人受けできるゴジラ映画となったと思います。比べると、シンゴジはリアリティーを追求しすぎて大仰なアクションを求めた人には受けが悪く、レジェゴジは逆にアクションを追求しすぎてゴジラという怪獣がただのモンスターに成り下がっているようにも見受けられます(どちらも好きですがw)
 個人的に気になった点は、シンゴジの時点でVFXは行き着くところまで来たと考えていたため、目が曇ったかもしれませんが、この映画のVFXがそこまでリアルだとは感じませんでした。戦後すぐの風景のため見慣れていないせいもあるかもしれませんが、何より私自身、最近老眼と乱視が入ってきたので、そのせいかもしれません(笑)
 その他、ゴジラ自体で気になったところで、陸地を歩いているところの動きがぎこちないというか、ロボットみたいに一歩前に出ては止まり、また一歩前に出ては止まりのような動きだったので、その点が不自然に感じました。今回はモーションキャプチャを採用しなかったみたいなので、その点はゴジラに命を吹き込むためにも、次の作品は役者の演技を取り入れて欲しいと思います。
 最後に、シンゴジにも言える事ですが、「核の被害者としてのゴジラ」という側面が薄れてきている事に寂しさを感じます。現代では核の脅威が現実的でなくなってきているのかもしれませんが、この点を完全に演出できたゴジラ映画は初代のみなので、次回作では是非ストーリーに組み込んでみて欲しいものです。
 いろいろ書きましたが、とりあえず現時点でまだ放映している劇場もあるみたいなので、、まだ未視聴の方は配信やDVDなどではなく、劇場で観てみる事をおすすめします。

ミスターK