「VFX4点、脚本3点、合計・・・3.5点!」ゴジラ-1.0 フレンチクローラーさんの映画レビュー(感想・評価)
VFX4点、脚本3点、合計・・・3.5点!
大戦のトラウマを抱える主人公、失意の中で形成される疑似家族、そしてゴジラ打倒に向けての再起・・・ と本作は非常に直線的な人間ドラマになっている。ほぼ主人公視点で話が進む点含め、良い意味で「わかりやすい映画」と言えるのだが、その代償なのか台本は稚拙でご都合主義的。演技やカットの安っぽさが、作品全体のチープな印象を更に助長する。鑑賞中、「なろう系ゴジラ」という表現が脳裏をよぎる
アクションシーンは手放しで褒められる出来映え。VFXのクオリティが高いため、荒唐無稽な展開でもバカ映画として楽しめる。この映画の持つチープさは計算の産物ではない。そのため好意的に受け止められる部分(プロットの明快さとおバカなアクション)とそうでない部分(脚本と演出のチープさ)の両面が不可分になってしまっている。愛国なのか反戦なのか、テーマの整理が不十分なまま作り手の快楽原則で突っ走る終盤に至ってはもはやギャグの領域だが、個人的に一番楽しめたポイントはそこだった(オッペンハイマーに文句を言う前に、山崎貴に総括を迫ろう!)。つまるところ本作は「一流の技術を持った天然が作った天然バカ映画」なのだ。たまにはこんな映画があってもいいと思う
総じて「三丁目の夕日+永遠のゼロ+ゴジラ」という監督のキャリアの延長線上にある作品なので、前者2作品に抵抗のある視聴者は避けたほうが無難
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