「まとまりのよい優等生的ゴジラ」ゴジラ-1.0 かせさんさんの映画レビュー(感想・評価)
まとまりのよい優等生的ゴジラ
日本初のアカデミー賞視覚効果賞受賞作。
【ストーリー】
特攻隊パイロットの敷島は、機体に不調ありと着陸した大戸島の整備基地で、島民たちの口づてに伝承される怪物・呉爾羅(ゴジラ)に出くわして守備隊基地全滅を目のあたりにする。
戦後になってもその時の心理的外傷を引きずり、家族は空襲で死に絶え、敷島は生きる意味を見失っていた。
途方に暮れていたある日、焼け野原となった東京で出会った典子と、押しつけられた赤子の明子に転がりこまれ、自宅で擬似家族のような同居生活をすることに。
木造船での掃海作業の職にどうにかありついて、3人の生活はそこそこに豊かになるが、敷島にはどうしても2人が家族とは思えない。
だが2年後、ビキニ環礁の核実験に被曝して異常に巨大化したゴジラが、日本本土に上陸して破壊のかぎりを尽くす。
掃海艇でともに働いていた旧海軍技術士官の野田発案のゴジラ討伐作戦が立案され、説得のすえに敷島もパイロットとしての参加を承諾する。
その準備にあけくれるさなか、二度目のゴジラ上陸にまきこまれ、典子は行方不明となる。
まだ幼児の明子は、母親の典子がいなくなった事で精神的に不安定になり、敷島はゴジラ打倒への覚悟を決める。
制作費15億円以下の作品としては、破格のCGの出来としてアカデミー賞視覚効果賞を獲った当作。
艦艇や航空機、そしてゴジラの迫力だけはガチ。
ストーリーはラストへと一直線に進んで盛りあがる王道で、カット割りもそつのないエンタメ作品です。
一応フォローを入れておきますが、旧日本軍機にも脱出機構はありました。
宮崎駿監督の『風立ちぬ』でも、テストパイロットがくり返し脱出しているのを憶えてる方も多いはず。
ただ「生きて虜囚の辱めを受けず」という当時の思想を受け、尻の下に収められたパラシュートは、オムツがわりにされてたそうです。
『紅の豚』ポルコ・ロッソと同じ「ひねりこみ」の妙技で有名だった、旧海軍の零戦エース・坂井三郎さんの世界的ベストセラーとなった自著『大空のサムライ』で語られてました。
戦闘機の飛行中のおトイレ事情はくわしく説明しませんが、とにかく設計上パラシュートもあったけど現場の事情で使い物にならなかったということだけは、知っておいてほしいなあと。
コメントありがとうございました!
ラストに関してあらためて思い返すと、「NO特攻」という意味合いでは、意外に『SW8』のフィンを止めるローズってのがありましたが、こちらの『Gー1.0』のほうがやってることは格段に上品というか、受け入れやすい仕掛けだったような(笑)
脱出機能の件、知らなかったので勉強になります。
かせさんのコメントを読んで、ロボコップのものまねが急に見たくなって、ユーチューブを見ていたのですが、大人のロボコップのマネをする佐藤さんが日本とアメリカのゴジラを比較していて、日本のゴジラはゆっくりなんだなと再認識しました。
かせさんさん、共感とコメントありがとうございます。
1954年のゴジラが原子爆弾より強力な水素爆弾によって生まれたので、-1.0ゴジラの設定を不思議に思ったのですが、鑑賞後山崎監督の解説の映像で知りました。原子爆弾によって生まれた設定だったのですね。敗戦直後の時代背景を丁寧に落とし込んだ脚本に改めて感心しました。
共感、コメントありがとうございます!
人間ドラマはさておき(笑)、最近コング×ゴジラを鑑賞し比較し、この作品の映像の素晴らしさ傑出度合いを再認識いたしました。迫力が違います。
共感ありがとうございます。
戦時中の人命を軽視した風潮は恐怖そのものですね。これこそ“今だに我々の上にのしかかる戦争の脅威なのかもしれません”
「新たなる帝国」と比べて人間ドラマを褒める方が居ますが、正直それほど差はないと思います。
かせさんさん、コメントありがとうございます♪
アカデミー賞を獲っただけあって、映像はすごかったですね✨
特攻隊員の髪型については、時代考証的には長髪でも間違ってはいないとどこかで読みました。まぁどっちにしろ神木隆之介じゃ特攻隊員には見えないんですけどね😅