「大迫力のCG!だが脚本はこの上無くお粗末...」ゴジラ-1.0 へたりあさんの映画レビュー(感想・評価)
大迫力のCG!だが脚本はこの上無くお粗末...
アカデミー賞受賞のゴジラ映画と聞けば映画館で見る他ないでしょう。予告映像もかなり良かったので勇んで映画館へ!
冒頭5分ぐらいのやり取りで早くも嫌な予感がしましたが、案の定(悪い意味で)予想的中^^;
確かにCGで作られたゴジラの襲撃シーンは、どれもクオリティが高く、恐怖心を覚える程大迫力の映像です!
けれども、この映画で評価できるのはこれだけ(笑)。細かいツッコミどころは無視しても(それも他の映画なら見過ごせない程度の粗があります)、全体的にお粗末な出来と言わざるを得ません。
映像のクオリティに反し悲しいことに、全編通して神木隆之介演じる主人公の元、ご都合主義溢れる安っぽい人間ドラマが展開されます。最後のヒロインもG細胞でバッドエンド〜だとか考察されてますが、感情移入出来ずに興味が湧かないです。
また戦中戦後という時代設定なんですが、軍関係者や民間人の言動も違和感しかありませんね。特に序盤の特攻から引き返した敷島に対する守備隊の反応とか、旧海軍人の作戦辞退者の反応とか...平成生まれの自分が言うのもなんですが、当時の人々がいざゴジラと向き合ったとしたら、本当にああいう反応をするんですかね?なんだか命懸けで戦った当時の人々に対する理解とリスペクトを欠いているようで、あまり良い気持ちはしませんでした。
あ、主演の神木隆之介くんら俳優陣は何も悪くありませんよ。おそらく脚本と監督の指示を忠実に守ったのでしょう...やたらと敬語で説明口調が多いのは最近の邦画でありがちですが、それなら映画じゃなくて小説で良い訳で。って言うか山﨑監督ってこの辺苦手なんでしょうね。良い役者揃えてるんだから、表現を台詞じゃなくて演技に任せれば良いのにな〜。そうすれば不自然な説明口調のドラマパートもかなりマシになったのに、そこが残念です。
震電や四式中戦車、高雄が出てくるのは良いんですが、やっぱりどれも取ってつけたような登場なんですよね。まあ彼らの勇姿が劇場で観れただけで良しとします。
総括としては、邦画のCG技術に対する希望を見せてくれた点は評価できるかと思いますが、映画として一番大切な脚本があまりにも稚拙で作品としてのクオリティを著しく下げています。今後、山﨑監督はVFXだけに集中して、脚本は誰かに丸投げするか、少なくとも添削はしてもらった方がいいんじゃ無いでしょうか?折角の技術が勿体なく感じました。
お金を払って劇場で観るべきか?と言うと微妙な所です...CGは凄いけど話がアレだし...かと言ってDVDだと迫力が無くなっちゃうし...う〜む、難しい(笑)