「登場人物の名前が意味深い」ゴジラ-1.0 アルテミスさんの映画レビュー(感想・評価)
登場人物の名前が意味深い
シン・ゴジラも大好きで2度劇場に行ったほどだが、こちらも2度行った。
ゴジラ自体の怖さは、こちらの方が圧倒的であると思う。
シン・ゴジラのゴジラは攻撃されれば反撃するが撤退するものまで追いかけたりしないので「想定外の災害の具象化」という印象が強く、もちろん災害は怖いのだが、生物としての怖さではないように感じられてしまう。
こちらのゴジラの身長はシン・ゴジラの半分以下だが、攻撃してきた相手はたたきつぶすまで止めないあたりに生き物としての意志があるという感じがする。
ゴジラのデザインや、CGの良さによる動きのリアリティと質感の生々しさもそれを高めている。
……というのは既に多くの人が指摘しているだろうからこの辺にして。
主人公の名前が敷島。
「敷島の大和心を人問はば朝日ににほふ山桜花」
最初の神風特攻隊の隊の名前でありそれも意識していると思われるが、「敷島」という単語自体が「大和」の枕詞であると同時に日本の別名でもある。
掃海艇の艇長は秋津。
「秋津洲」もまた日本の異名である。
焦土となりうちひしがれた日本が再起して行く過程を彼らに託しているのか。
そして整備士の橘。
古事記では「時じくの香の木の実」すなわち不老不死をもたらす木の実を橘としている。
浅学なので映画を見ながら思いついたのはこの三名だけだったが、他の登場人物にも何かあるのだろうか。
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