「三丁目の永遠のアルキメデスゴジラ (いい意味で)」ゴジラ-1.0 あくちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
三丁目の永遠のアルキメデスゴジラ (いい意味で)
まさに山崎監督のここまでの集大成
1度目4DXで、2度目ドルビーシネマで鑑賞
何十年ぶりかに同一作品を劇場で複数回鑑賞した
ドラマパートへの不評を散見するが
敷島は訓練では優秀だったが、初の実戦が特攻であり現実感も無く覚悟もなく飛び立ち そして、覚悟のできぬまま機の故障と嘘をつき生還した
その夜、ゴジラの来襲を受け目前のあまりの恐怖の対象に引き金を弾けず整備士たちを見殺しにしてしまう
引き上げ後、典子 明子と共に擬似家族として生活を始めるが毎夜悪夢にうなされ、典子にすがるが、拒絶されてしまう
2度目同じような2人の夜のシーンでは、敷島は自分のトラウマの全てを打ち明け、典子は受け入れ敷島を抱きしめる
翌朝目覚めた敷島は初めて愛しい家族を見る目で典子と明子を見ていることから、前夜敷島と典子が愛し合ったのだろうと推測できた
まさにその日にゴジラが新宿に現れ敷島の目の前で自分を庇った典子が吹き飛ばされ
敷島は絞り出すように慟哭し黒い雨に打たれながら愛するものを奪ったゴジラを睨み見上げる
ここで初めて敷島は命をかけてでも仇であるゴジラを倒したいと思ったわけだ
命令されての特攻はできなくとも、多くの特攻兵がそうであったように、愛するものの未来のため命をかけてでもと、覚悟を決めた敷島
ワダツミ作戦に向かう面々もまさに同じ気持ちであったのだろう ドラマパートにも穴は無い!
ラスト典子の病室に入った明子がフェイドアウトするのがおかしいとのレビューを見たが
あのシーンで明らかに明子は典子に対して異質なものを感じたかのように
怯え、敢えて距離をとっているように描写されている そして、まるで感情がないかのように微笑み「あなたの戦争は終わりましたか?」と言いながら敷島を抱く典子の首筋に現れる動く黒いアザ 海中に沈みつつ再生を開始するゴジラ
次作への明らかな伏線である
北米でも好調なスタートを切り、世界中で公開されるこの作品
是非続編も山崎作品として作っていただきたい