「“モンスター映画”や“ディザスター映画”の中の“人間ドラマ”や“人物描写”という言葉」ゴジラ-1.0 ウシダトモユキ(無人島キネマ)さんの映画レビュー(感想・評価)
“モンスター映画”や“ディザスター映画”の中の“人間ドラマ”や“人物描写”という言葉
この手の映画の批評やらレビューやらを読むと、“人間ドラマ”とか“人物描写”とかいう言葉と視点を頻出単語として見かけますよね。
人間が出てきて物語を紡ぐ映画なら、それは全てが人間ドラマだし人物描写が問われるものだと思うんですけどどうでしょう。
怪獣が出てきて暴れたり災害が猛威を振るったりする映画において、殊更にスペクタクルな場面とそうでない場面を“怪獣パート”と“ドラマパート”とかって切り分けて論じられているのを見ると、そりゃあ刺激の強いスペクタクル場面と比べてしまえば、残りのいわゆる“人間ドラマ”は退屈に感じてしまうわなと思います。
カレーライスはルーとライスを混ぜながら食べるのがカレーライスの美味しい食べ方だと思うんですけど、ルーとライスを別々に食べて、「ルーは美味しいけど、ライスは味がしない」とか言ってる人がいれば、そりゃそうでしょうねと思うわけです。
そのライスがコシヒカリなのかササニシキなのか、白米一粒一粒を味わいたいのなら、カレールーはかけない方がいいし、ぶっちゃけカレーの味や刺激を楽しみたいだけなら、ライスをあーだこーだ言うのは野暮だよなぁと思ってしまいます。
カレー好きな人はスパイスがどうとか肉がどうとか調理法がどうとか蘊蓄語る楽しさがあって、それはもうそれで存分にお楽しみくださいという感じですけども、
じゃあこの『ゴジラ-1.0』というカレーライスはどうだったかというと、「私、美味しかったです」という感じです。
さっきからカレーカレー言ってますけど、別にこの『ゴジラ-1.0』にカレーは一切出てきませんけどね。
簡潔かつユニークな喩え話ですね。
重箱の隅をつつくような、木をみて森を見ずといった全く本質をみていない批評が多い中で、この作品の本質をしっかりと評する本レビューは素晴らしく秀逸です。
星1をつけて、意味不明な事をわめいている輩に、爪の垢でも煎じて飲ませてやりたいくらいです。