「戦争の呪縛と葛藤するドラマ」ゴジラ-1.0 菜野 灯さんの映画レビュー(感想・評価)
戦争の呪縛と葛藤するドラマ
私は独りで映画館に行ってますけど、上映が終わり、映画館を他の観客方々と出口に向かうときに、観客連れの方々同士で感想を言い合ってるのが耳に入ってきて、参考になるときがあります。
ふと聞こえてきた「戦争の呪いを解く」という言葉に、それだと思いました。ゴジラのCGを使った映像は迫力あって、先端の映像技術を駆使したものだと思いますので、それだけでも見ものなんですが、やはり映画はドラマがそこにないと感動しないものです。
今回のドラマはまさに「戦争の呪いを解く」ことだったと思います。主人公は元特攻隊員で、逃げるという選択をして生き延びた若い男性。それを負い目にいまを生きている。まさに、戦争を引きずっている。生死の狭間を生きた現場を経験すれば、それはそう簡単に吹っ切れないものだと想像できます。
それが、ゴジラの口に「特攻」して負い目を晴らそうとしたものの、パラシュートで脱出する選択をする。さらには、死んだと思っていた事実婚のような女性が生きていた。
まさに呪縛を解きつつ生きているという、ハッピーエンド。生きるということ、がテーマになっているように感じました。
映画のドラマとしては、最後に主人公が亡くなってしまって、ゴジラを倒して、犠牲になるというドラマもそれはありで、そこにも強烈なカタルシスを演出できたと思うので、敢えて、それをせず、生き残るという選択をする。この映画の主張を強く感じました。
あとは、主人公の配役として神木さんは確かな演技でそれは素晴らしいのですが、元特攻隊という風情はあまりないので、もう少し体育会系、軍隊系のような感じの配役でもよかったんじゃないかと思いますが(例えば、桐谷健太)。。渡辺美波とのペアにこだわるとそうなるんですかね。。さらには、戦後直後にしては主人公の髪と髪型がきれいでおしゃれすぎるので、もう少しヘアメイクさん、演出に合わせてほしいです。
PS.
上映中は、非常時でない限り、スマフォは絶対に開かないようにお願いします。今日の隣の方がハズれな方で、退屈だと感じたのかスマフォを取り出して2~3秒チラ見しているのが3回ありました。取り出す気配がするごとに心の中でやめてくれ!って叫んでました。
本人は両手とカバーで光を隠しているつもりですが、映画館をなめてはいけません。暗闇を演出しているので、スマフォの光は隠しきれないです。注意すると「お客様同士のトラブル」になるのでしませんが、迷惑限りないです。絶対にやめましょう。
みかずきです
私も、映画鑑賞する作品の決め手は、
私が観る予定の前の回上映終了直後のお客さんの表情、会話です。
お通夜みたいな雰囲気は難解な作品。
首を振るお客さんが多い場合は、価値観不一致。
会話が弾んでいれば、その作品を観ます。
上映終了直後のお客さんの表情は端的な作品評価結果ですので。
本作、劇中の台詞”生きろ”が作品テーマを凝縮していると感じました。
仰る様に、犠牲者がいた方がもっと劇的な物語になったかもしれませんが、どんな困難にも生きて乗り越えろという作品なので、生きる勇気は貰えました。
では、また共感作で。
ー以上ー