「ひと粒で二度おいしい作品」ゴジラ-1.0 jaxさんの映画レビュー(感想・評価)
ひと粒で二度おいしい作品
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主要登場人物はほぼ死なない。他の登場人物はともかく、ヒロインがゴジラの光線の余波を受けたにも関わらず怪我だけで済んだことには多少の違和感を覚える。一見ハッピーエンドのためのご都合主義に思えるが、作中での吉岡秀隆の「一人も死なないことを誇りとしたい」といった台詞の通り、敢えて登場人物を殺さないような作品作りをしていると捉えることもできる。
巨大生物をテーマにした映画は、「出現→撃退→エンディングで復活を匂わせ」といった流れがほぼ定番となっているため、ストーリー展開では特色を出しづらい。本作では王道の展開を踏襲し、ところどころに往年のゴジラファンを意識した演出が組み込まれているため、純粋にゴジラシリーズとして楽しむことができる。
加えて心理描写や演出の細かさ、丁寧さで他の巨大生物系の作品との差別化が図られている。これが奏功し、同ジャンルの作品とは違った面白みも併せ持つ良作となっている。
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