「マイナスと言うダウングレード」ゴジラ-1.0 神器透餡さんの映画レビュー(感想・評価)
マイナスと言うダウングレード
シリーズが最骨頂やMAX 値を極めると
隣接してスケールダウンで濃厚な演出を温故他心するミクロ現象がある。
例えばガンダム等の18mサイズも肥大を競うスパロパの流れからミクロ化を狙ったものであり道具としての搭乗ロボは武器の名称を叫ばない、異次元な破壊力は持たない、弾切れ、燃料切れ、不良品、プロト型等およそスーパーでない魅力が満載の擬似ミリタリー展開で、かってのスーバーロボットを凌駕する温故知新である。
ウルトラマンで言えば
初期の飛行速度がマッハ5~7で有ったのに対しタロウ世代ではマッハ20と新進気鋭ぶりのMAX 値を弾き出すが、その後のレオはマッハ7の初期値を守備して温故知新を図るマクロ振り。
東宝怪獣ならバラゴンやゴロザウルスは身長がミニ尺で巨大感に意表を尽かしてある。
もっとも怪獣総進撃で
ゴジラと同じ場所に並んでしまってるが。。
つまりはマイナス1.0の作劇法は
シリーズのセオリーではある。
ところか、それゆえに不備が見つかる。
マイナス1.0はダウングレードゆえに
ゴジラのスーパー表現は抑えられていたか?
いや身長50mにミニ化した割に大した破壊力を発揮してた。
怪獣映画はスペクタクルではあるが
ダウングレードが抱えるジレンマであろう。
メーサー戦車やスーパーXも登場しない
VS シリーズ以前の世界観なら
背ビレの青い発光もニョッキニョキ出てくる描写も魅力的だがマイナス1.0なら安易に採用すべきでは無かったのでは?疑問だ。
あまりゴジラを強く描くと、
あの当時の非力な人間たちが勝て無いよ。分かるよね?
マイナス1.0なのだから
そんなに強いゴジラは矛盾とジレンマで破綻してしまう。
加えて腕がハッキリ人間の体型に近く生物感に乏しかったり
更に非力な作戦を気力で補うリスクは殉死であり、芹沢も小林も犠牲になった過去が有るのに
主人公夫婦は生存?その甘さが白ける。
いや本編に関しては陳腐な朝ドラ以下の
イマジナリラインも不明な淡々劇。
こんなのに90点ランクする人も好き好きだけど、この監督は大丈夫なのか。
最初からやり直せと言いたいが
こんなゴジラで評判が良いなんて
結構ハードル低いのかね?
色々言いましたが反面教師としては収穫有りました。
VFXの出来も悪くはないんだけど
前述通りの気になる点の数々。
これは課題かも知れず
諦めの見切りかも知れず。
シリーズはそうやつて追い求めて行くのでしょうね。