「完ぺきに近い特撮」ゴジラ-1.0 こめちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
完ぺきに近い特撮
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円谷英二が見たら手をたたいて喜ぶだろう。特撮を特撮と解っていて楽しむ時代が終わった。ゴジラにバンバン大砲や機関銃を撃つシーンは迫力がありかってないほど素晴らしいし、震電が出てくるところはもう楽しくて。ゴジラを実況する記者が迫りくるゴジラにビルごと崩れ落ちるところや電車をゴジラが咥えるところは最初のゴジラへのオマージュだ。ドラマのシーンは終戦直後の混乱と不安な世情をかなり重要視して描いている。これまでこれほど人間側の状況が描かれたゴジラ映画はなかったのではないか。ゴジラに機雷を食わせて爆発させるのはジョーズだし、ゴジラの破壊光線の描写は巨神兵だし、過去の映画の面白いところが取り込まれている。ゴジラの吐く火は核爆発をイメージさせる。このような不景気な状況でもし大地震が起きたらどうなるのだという現在の日本の根底にある不安が共通に見て取れる。アルキメデスの大戦の海戦シーンのすばらしさはこの映画に生かされた。シンゴジラもそうだけど過去のゴジラと断絶したゴジラが登場した。
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