劇場公開日 2023年11月3日

「子役の子、さりげなくて良かったねえ。」ゴジラ-1.0 night runnerさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0子役の子、さりげなくて良かったねえ。

2023年11月10日
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鑑賞方法:映画館

(どーしても、の)2回目。

ゴジラ映画30作目で、かつ、ゴジラ70周年記念作品。この映画は正当な系譜のゴジラ映画だ。風格もある。

神木くんが、「俺は本当は生きていちゃいけない人間なんです」と言うと、
浜辺美波さんが、『私の両親は火に焼かれながら、私に“生きろ”と言ったんです』(凄まじすぎる情景)。
とか、

(ゴジラがどんどん迫って来る銀座で、もはや疲れ果てている浜辺美波さんに)「立てえ!死んではだめだあ!」神木くんが助ける場面(自分は生きようとはしてなかったのに)とか、

佐々木蔵之介さんが「なぜ嫁さんにしてやんなかったんだあ!」と胸ぐらをつかんで言い寄ると、神木くんが『俺の戦争が…、終わってないんです…』と肩を落とすところ、

青木崇高さんが「生きろ」って言うとこ。

吉岡君が、「思えばこの国は命を粗末にしてきすぎました。装甲の薄い戦車、……。特攻だ、玉砕だ…。
だからこの戦いは、一人も犠牲者を出さないことを誇りとしたい。未来を生きるための戦いです」という場面… 等など。

涙がこぼれた……。ほんとに。

ドラマパートが(も)、すごくよかった。

戦後、生き残ってしまった人達、混乱の中で生き抜こうとする人達、若者…。
ゴジラを狂言回しにして、日本が、日本人が描かれている。

そうか、この映画は、山崎貴監督の【戦争3部作】の3作目なんだ!と気がついた。

山崎貴監督は、VFXという手法を駆使して、
『永遠の0(ゼロ)』で「零戦」を、
『アルキメデスの大戦』では「戦艦大和」を、
そして…、
「G -1.0(ゴジラ マイナスワン)」では、
(核兵器や戦争そのもののメタファーと言われている)「ゴジラ」を。

それぞれを合わせ鏡にしてにして、日本人を描いてきた【戦争3部作】なんだと…。

……浜辺美波さんが「こうさんの戦争は終わりましたか」という問いかけが、3部作が収斂された瞬間だと思った。

大画面で観て、劇場のみんなと一体感を味わえる心地よさを味わえた映画でした。

佐藤直樹さんの劇伴が、とても良かった。
ゴジラのテーマが大音量で流れると、痺れた。

きっと、また、観に行く。

night runner