「日本映画+1.0」ゴジラ-1.0 凡人28号さんの映画レビュー(感想・評価)
日本映画+1.0
監督の山崎貴は「宇宙戦艦ヤマト」ですっかり幻滅していたので、ゴジラ映画の新作と聞いてもちっとも期待していませんでした。予告編を見てもどうせベタベタな人間ドラマとまぁまぁなVFXシーンの組み合わせで、よくある安っぽい邦画だろうと高を括っていました。
しかしユーチューブであの岡田斗司夫氏が「シン・ゴジラを超えた!庵野秀明は山崎貴に負けた!!」と本作を大絶賛しているのを聞いて、これは見てみても良いのではと思い直し、劇場に足を運びました。
まず開始5分で中型のゴジラが登場、すごい迫力で恐怖感を覚えるほどです。掴みはOKというやつです。それから人間ドラマパートがやや長めに入りますが、丁寧な描写で「三丁目の夕日」みたいで、ゴジラ映画を見ていることをうっすら忘れるほどです。
そこから私が1番見たかった、海で漁船のような小舟が顔を海面から半分出したゴジラに追いかけられるシーンが入ります、このシーンの臨場感と恐怖感は圧巻です。綺麗な昼間の海と波をかき分けて迫るゴジラの顔の描写がすごくて、VFXチーム「白組」の仕事は素晴らしいです。
基本はゴジラが現れて、暴れて、それに人間が立ち向かい退治する、といういつものパターンですが、交互に展開されるドラマパート・VFXパートが相乗効果で物語を盛り上げてラストまで一気に駆け上がります。
結論を言えば「シン・ゴジラ」を凌駕する完成度で、オタク向けのシン・ゴジに対してファミリーで楽しめる王道のゴジラ映画です。
若干俳優の芝居が大げさでワザとらしい雰囲気も無くは無いですが、映画としてちゃんと出来ているので殆ど気になりませんでした、神木くんも浜辺ちゃんも魅力的です。
この映画はゴジラ映画はもちろん、日本映画としても歴史に残る一本になります。
劇場で見なければ後で後悔すること必至でしょう。
おそらく海外でもヒットしますね。
今から続編が楽しみです。