「モノクロ版に没入」ゴジラ-1.0 むっしゅさんの映画レビュー(感想・評価)
モノクロ版に没入
11月、劇場公開と同時にカラー版を観賞。前回庵野版を見てガッカリしたのだが、今回の山崎版は魅入られた。時代背景、そしてその映像。山崎作品ならではの舞台作りに巧くハマるキャスティング。そしてゴジラの造形。ため息。ご都合的な一カ所を除いては文句なしと言いたいくらい。特に庵野版で辟易した政府のごたごた感が今回はない。民間主導という切り口が自分にとって受け入れやすかったのか。
さて久々に感動したゴジラ映画だが、モノクロ版も上映されるということで1ヶ月前からソワソワ。そして観賞。凄い。同じ映画なのにこんなにも異なるのか。その最たるポイントは、カラーという情報を排したためより色濃く浮き彫りにされた戦後日本という世界に没入できたこと。カラー以上に昭和の世界がすんなりと脳に入り込み、神木隆之介、浜辺美波らが昭和の人間としてひときわ映える。そしてゴジラ。主役のゴジラの恐ろしさが絶望的に凄い。カラー版では感じなかった細部までに驚愕と畏敬を持って目の前に立ちはだかる。
二度目の観賞と言うこともあるのかわからないが、カラー版では一度ウルウルしただけだが、モノクロ版では数回泣いた。感動で。見て良かった。
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