「俺たちの戦後はこれからだ!」ゴジラ-1.0 ひろちゃん千葉さんの映画レビュー(感想・評価)
俺たちの戦後はこれからだ!
大戦末期、特攻から逃げて近くの島の基地に舞い戻った青年パイロットが居た。
その夜に突然島に恐竜の様な怪物が出た。
島の言い伝えによるとゴジラと言う怪物だそうだ。怪物は暴れ回り青年と整備長を残して全滅した。戦後その事により心に傷を持ちながら生きてきた青年。ひょんな事から青年の荒屋に居着いた女と赤ちゃん。奇妙な共同生活のさなかゴジラは東京へやってきた。
原爆実験によって巨大化凶暴化して。
青年の運命は?超兵器どころか廃墟の日本にゴジラに立ち向かう術はあるのか?
この映画のテーマはゴジラでは無く戦後。
戦争を色々な形で生き抜いたとはいえ負けた事、生き残った事、家族を失った事などの失望感は拭えず復刻しつつも心に傷を負ったまま。
その傷に塩を塗りたくるゴジラ。
国どころか米軍も駆除に協力しない。
このままやられるわけにはいかないと
民間人の活力とこれから破壊するはずだった軍艦を使い有志だけでなんとかしようとする元軍人たち。
今あるものでなんとかしようと知恵を出す企業。
ゴジラをやっつけて戦争に区切りを付けて明るい戦後に向かうんだ!と言う映画。
ゴジラを通して自分たちの戦争の清算をする、
それがこの映画のテーマだった。
今までは自衛隊他軍隊や超兵器頼みだったゴジラ映画が軍人崩れとはいえ民間人の活躍だけで退治するとは凄い話。多分過去最強最悪のゴジラなのに。そう言った意味でも今回のゴジラは見どころがある。
ゴジラの迫力、凶暴具合も迫力があって良かった。光線を発射する所も。
まあツッコミ所は相変わらず満載だし何故東京に来るのかも分からないけどお約束だからって事にしないと話が(笑)。
あと主演の青年敷島を演じた役者、ちょっと他の演者より演技が弱かったな。かなり重いものを抱えているのにちょっと演技が軽いと言うか表情も態度もそっけないと言うか心情的に滲み出てくる何かがない。非常に難しい役どころだとは思うが伝わるものが多くなかったな。