「普通に素晴らしい」ゴジラ-1.0 あのまりさんの映画レビュー(感想・評価)
普通に素晴らしい
封切り前から戦々恐々として期待と不安が入り混じった「ゴジラ−1.0」。
予告編が最高だったのでかえって過度に期待してはいけないと思いながらも初日初回で観て来ました。
印象としては大変素晴らしいゴジラでした。
もし「ファイナルウォーズ」以来19年ぶりのゴジラだったら(つまり「シン・ゴジラ」が存在していなければ)、今までのゴジラの歴史を塗り替える衝撃の一作だったと思います。
もちろん実際に「シン・ゴジラ」の後で見ても見劣りしない、高いハードルに負けなかった見事な作品だと思います。
まずゴジラの生物感は過去最高でしょう。
本当に生きている巨大生物を見ているようです。
それからその凶暴さや底知れぬパワーは圧倒的で、観る者を絶望に落とします。
ドラマパートにはかなりの重きが置かれており、ストーリーとしては人間中心と言えます。
ただその分ゴジラの破壊はそれほど多くは無く、クライマックスは一回目の銀座周辺の壊滅シーンになります。
世界観はあまり広いとは言えず、大変な脅威でありながらローカルな感じはします。
あれほどの破壊力を示しながら、日本や世界の存亡という危機感を感じないのは不思議です。
やはりストーリーが主人公の私的なものだからでしょうか。
またラストはちょっとGMKの焼き直しっぽく、B級テイストになったのは残念です。
ここはやはり「シン・ゴジラ」は上手かったですね。
山崎監督ならここはいっそ直球でハッピーエンドにして欲しかったと思います。
正直予告編からはもっと凄まじい作品(世界が滅ぶような)を期待していたのですが、劇中でも「ここがあのシーンなの?」と困惑したところも少なくありませんでした。
また確かにホームドラマのようなテイストもあり、良くも悪くも普通の日本映画的ですが、その辺りやや抵抗を感じるところもあります。
いずれにしても国産でこれからも質の高いゴジラ作品が観られることを期待したいと思います。