ティルのレビュー・感想・評価
全62件中、41~60件目を表示
事実より相当ソフトな映像表現。
それでも胸が痛む。
50年以上前にディランのLPに入っていた実話。
残念ながら母親の全歯ホワイトニングが気になってイマイチ没入出来なかったな。
母の深い深い愛
かなり重い作品です
こういうテーマの作品を何作も観ていますが、今作も本当にひどい差別が描かれていました
14才というまだ中学生の男の子に
今はというか、日本では想像もできない事です
最初息子を心配するメイミーが過保護のようにも思いましたが、それくらい心配するのが当然のような社会だったのでしょう
平等な世界を実現させるために多くの方々の命懸けの努力の積み重ねで今のようになったのですが、そのための犠牲が大きすぎます
エンドクレジット前の説明でメイミーの努力が報われたようにも思えますが、あまりに時間が掛かりすぎた事や完璧ではない正義、それでも息子は帰ってこない事に虚しさも感じました
変わり果てた息子との対面、裁判での証言、ラストのスピーチ、涙がポロポロでした
その息子との対面のシーン、最初泣いていたメイミーが泣くのをやめて戦いを決意したのが伝わってきました
平等な社会のためにというよりは、息子への愛から始まったメイミーの戦い
だんだんと差別のない社会に進んでいっているアメリカだけど、過去の悲しすぎる出来事があっての今と思うと本当に悲しくなります
ストーリーとは全然関係ないけど、あの頃のワンピース、手袋、帽子、イヤリングのコーディネート、どれもステキでした
綺麗な女優さん。
1955年代のアメリカって舞台が黒人に対する壮絶な差別がある事はおおよそ予想が出来たけれど、
驚きなのは其れから67年経った最近まで見過ごされてきていた事。
人種を嫌うのは自由だけど命まで奪う権利はないといつも思う。と言っても、きっと奪う側は正義だと思って害虫でもコ◉ス感覚なんだろう。
たった1人の家族を奪われた時の人の悲しみを見させて貰った、そこに信仰(多くの支え)があるからこそ彼女は立ち上がる力を主から与えられたんだろうね。
“あなたの力を私にお与え下さい。”
家族と教会に行く時に自分もいつも叔母や母に祈って貰っていた事を思い出して見ていた。
現在進行形の問題
主演のダニエル・デッドワイラーがとにかくすごかった。
ヒステリックでなく、極めて理性的に状況を学んでいき論理的な活動をする女性の姿を体現。
「こいつら(ミシシッピ州の白人ども)に、私のボーイは二度殺された」というセリフは圧巻。
映画そのものの出来もよいのですが、事実ベースの映画であり、メッセージ性からいろいろ考えさせてくれるのが良い点。
犯人が無罪判決後に雑誌へ殺害を自白しているうえ、後の世にDNA鑑定で被害者がエメット・ティル当人と判明しているのを、のちの世の観客は知っている(ググって調べればすぐわかる)ので、憤りがすごかった。
忘れそうになるけど、アメリカで公民権法成立が1964年、黒人の選挙権施行が1965年。
わずか60~70年前のこと。
最近も2014年、2020年と白人警官が黒人を窒息死させたり撃ち殺したりしながら不起訴、無罪なんてのもあって、全く過去の出来事ではなく現在進行形の問題。
差別、ヘイトによる殺人は起こさせてはいけないし、もし起きたらきちんと裁く世になって欲しい、と改めて思わせてくれる内容でした。
違う側面から観たら
なぜボボはキャサリンに対して、口笛を吹いたのか。
なぜボボはキャサリンに対して、パスケースの中の写真を見せたのか。
なぜボボはキャサリンに対して、不快感を与えるような行動を取ったのか。
言い方が不適切かもしれないが、母エイミーからボボへの教えが不充分だったように感じた。14歳であれば、ある程度の理解はできたのではないか。
エンドロールまで観て、真の結末がどうだったかを知り得たが、「人種」「人権」を考える作品だった。
グレゴリー・ペック主演の「アラバマ物語」
アメリカ南部ミシシッピ州の黒人差別から公民権運動までの話。
話の内容はいいし、映像の作りもキレイできっちり作ってあるんだけど、映画としてあまり面白くない。とても教科書的。教育テレビ見てるみたいな感じ。
キャラが立ってないし、プロットに盛り上がりやひねりがない。絵作りに驚きがない。
でもテーマは重くて、他人を差別する意識の愚かさは感じた。他人をジャッジする意識を乗り越えないと、人はずっと不幸なままだろう。
同じテーマの映画なら古典のグレゴリーペック主演の「アラバマ物語」がオススメ。
全ての技術が高い
「ミシシッピー・バーニング」とは違うアプローチの闘う作品だった。
主人公の闘う理由が、
変わっていく。
加害者に罪を償わせる事から、
国に償わせる、
そしてそれを制度にする、
法律化するまでの闘い。
どんな法律か。
反リンチ法、
リンチはいけませんという法律。
成立したのは、
驚くことに2022年3月、
つい昨年!
本作は1955年に実際に起きた事件なのに、、、。
主人公の法廷での証言シーン。
カメラを切り返す事なくワンカット。
論より証拠、
特に法廷ではエビデンスが重要。
しかし、
証拠より、論より、母親の体感の説得力!
その体感の説得力を証明する130分が、
かなり短く感じるのは、
シナリオ、演出、芝居の技術が高い証拠、、、体感、、たいかん。
ボーとの思い出カットは無い、
あるのは、
主人公が前を向く為のイメージのみ、
微妙な違いだが、
事件に対する意志の強さの現れでもある。
【蛇足】
昨今の目利きの観客を納得させるには、
2時間では短く、
ドラマで数シーズンにわたって、
飽きさせない工夫で、
なおかつ、
ヒューマニズムもアクションも必要。
そんな中、
ひとつのアイデアとして、
論より証拠を逆転させて、
証拠より論、
客観より主観、
データより勘、
論理より感情、
社会的な常識とは逆を攻める、
というのが一周回って、
(二周、三周?)トレンドになっている。
人種差別による息子の残虐な殺人事件から立ち上がった実話ベースの母親の生きざまを描いた作品。 本年度ベスト!
鑑賞前にWikipediaで「エメット・ティル」の項目を調べてから鑑賞。
そこにはティルの残虐な殺され方が細かく書かれていて覚悟して鑑賞。
予想していたよりもそのシーンはあっさり表現されていて安心する。
本作はティルの母親のメイミーが、裁判で負けるものの、その後も諦めずにアメリカの法律を動かしたストーリー。
ぶっちゃけ、これからって時に終わってしまい拍子抜けしたけど、これからの出来事を字幕で説明して行くラストが逆に良かったのかも。
本作で圧巻だったのはティルの母親役を演じたダニエル・デッドワイラーさんの演技。
ティルと一緒の時の幸せそうな演技。
ティルの遺体の前での号泣する演技。
裁判で負けた時の悲壮感漂う演技。
そこから立ち上がる自信に満ち溢れた演技。
どれもが迫真の演技でスクリーンに引き込まれた!
個人的に主演女優賞を差し上げたい!
ティルを殺した二人が罪に問われず、その後の雑誌でのインタビューで大金を手に入れた事実。
裁判所での黒人に対する差別。
陪審員が皆白人と言う事実。
当時の黒人の人達の立場が虚しい。
今でもこの様な差別はあるけど、差別の無い世の中が来ることを切望します( ´∀`)
BLM now and then
面白くなかった、と言ってしまうと不謹慎に聞こえてしまうので言い方が非常に難しいんだけど、映画の良し悪しというよりは予告で観ていたもの以上の内容がなかったことに残念。(最近多いよね、予告が全てです作品😅)
理不尽なヘイトは勿論あってはならないし、自分自身子供の頃から差別的なものは色々経験してきたから他人事ではないはずなのにこの作品では全く感情移入が出来なくて💦💦💦お母さんが強過ぎたのかなーなんでかなー。
途中で少々“ん?あらあら?”と思う台詞もあって。息子には『無邪気さを無くしてほしくなかった』って言ってたけど、南部に行く息子に向かって『小さくなってて』って言ってなかった??まぁ、息子を亡くして頭や心の中がワチャワチャしてるからだったのかな。
そんなメイミーの終盤の台詞でとても好きだったもの👇
“Either freedom for everyone or freedom fails. ” だったかな。
エメットの死後67年経って可決された反リンチ法…。人間が決めることの出来る法律で何故にこんなに時間がかかるのか……。
メイミーのお父様の法廷での出立ちが存在感アリアリで好き💕久しぶりにお姿を拝見したウーピーもなんか嬉しかった❤ ❤ ❤
White trash
1955年8月ミシシッピ州マネーで白人女性を冷やかす様な行動をしたことで惨殺されてしまった14歳の少年エメット・ティルと、彼の殺害事件の裁判の話。
母子家庭ではあるもののの、シカゴで裕福な暮らしをしていた本当の黒人差別を知らないボー=エメット・ティルが、夏休みに親戚の住むマネーを訪れて巻き起こっていくストーリー。
何かの映画でこの事件のことが話題になっていたのを観て、なんとなくは知っていたけれど、観賞後に調べてみたら、今作はボーの殺害に関してだいぶマイルドに描かれていたんですね。
そしてその後の裁判に至るまでの様子や裁判そのものも…。
あくまでも糾弾する意味合いではなく、この出来事を知らしめたり、忘れて貰わない為の作品ということでしょうかね…。
もちろん当時と比べたら良識ある思考の人が多数にはなっているんだろうけれど、この胸クソ悪い出来事は、今だに変わらないしこれからも無くならいであろうアメリカの本質というところでしょうかね…。
ウィッシュも良いがこちらも見て欲しい一作。
今年421本目(合計1,071本目/今月(2023年12月度)22本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))
さて、今週(12月3週)は極端にウィッシュ一強(ついでラジャー?)という状況ですが、本作もぜひ見て欲しいという作品です。
日本とは異なるアメリカで実際にあったいわゆる人種差別に始まるトラブルにおいて、裁判過程においても権利を保障されなかった実話が描かれます。この点、南北戦争が終結した当時(映画の当時)においても、黒人に寛容的だった北側と偏見が残っていた南側がまだあったことは周知の事実で、映画自体も史実を参照にしているため、あることないこと描くことはできずかなり淡々と進む部分はあります。
ひるがえって日本を見ると、戦中戦後の混乱期等を除けば「適正な裁判を受ける権利」が害されたケースは、「差別問題」という観方では数えるほどしかありませんが(代表的なものとして、ハンセン病元患者さんの事案がよく知られます)、日本においても少数ながらそういった事案が存在したのはこれもまた事実です。
映画としても無難にまとまっており、時間として適正であるのが良かったです。
あえていえば当時の公民権運動等に対する知識があればよいのかもしれませんが、それは一般常識の範囲でしょうし、映画でも詳しく示されますので、あまりこう「あれこれ心配せずに見に行ける映画」という観点では教養を高めるという観点からもおすすめです。
採点上特に気になった点としては以下がありますが、0.2以下なので切り上げフルスコアにしています。
---------------------------------------------------------
(減点0.2/却下と棄却の違い)
英語で話されているのは rejection で、これ自体は「棄却」「却下」のいずれにもとれ、字幕では「却下」になっていますが、日本の法制度に照らしてみればここは「棄却」になるものが正しいものです(ただ、この点は民訴法や行政事件訴訟法等を知らないとわからない論点だし、原告適格等が問題になっているのではない映画なので、その誤訳によって理解が妨げられることはないので、この程度)。
---------------------------------------------------------
目を逸らすべきでない事実
大人になると、映画作品を観たことをきっかけで「知りたくなること」に事足りなくなります。その一つが「アフリカ系アメリカ人公民権運動」ですが、関連する作品や資料にも紹介されることのある「エメット・ティル殺害事件」については、その残忍性も相まってとても印象深い出来事の一つです。とは言え、この事件をクローズアップしたような作品は少なくとも日本で殆ど見当たらず、残念ながらこの事件自体、日本人にとってはあまり認知度が高くないのではないかと思います。
今回は日程調整が難しかったため、サービスデイの鑑賞を諦めてポイントを使い初日のシャンテへ。18:50の回でしたが正直客入りは少なかったです。確かに重い作品であり気楽に観られるものではありませんが、アメリカの歴史を考察するうえで重要な事件であり、むしろこの事件の凄みは、事件後、殺されたエメットの母であるメルミーの決意の行動こそが、当時の公民権運動に大きな影響を与え、後のBLMにおいても語られる「人間がやったことの証拠」として目を逸らすべきでない事実です。
実際、本作においてもエメットは物語の序盤でアッサリと殺害されます。語弊のある言い方に聞こえるかもしれませんが、むしろ、その尊厳のない扱いそのものを感じさせるほど唖然とする演出で、作品を観続けながらも意外に後々まで引っかかります。
そして、以降は終始メルミーの凄み押しです。メルミーを演じるダニエル・デッドワイラーについては全く存じ上げませんでしたが、これはアカデミー賞主演女優賞あるような気がするほどの「圧巻の演技」だと言えると思います。
はっきり言って、この事件すら知らない方に興味を持てと言っても難しいかもしれませんが、逆にこの作品をきっかけに事件を知ることで、公民権運動やBLMに対しても改めて興味が出てくるだけの影響力はあると思います。知るべきことを知れる作品です。
ブラックライブズマターの必要さ
数年前、映画「ウィンド・リバー」を見た。
ネイティブアメリカンの命が軽く扱われている現実を描いたサスペンス。
30年ほど前、「ロス暴動」の引き金になったのは、黒人を暴行した警察官たちが、無罪になったことだった。
3年ほど前、「息ができない」と訴えた男性が警察官に殺害される事件もあった。(こっちは有罪になった)
で、本作。
南部で黒人の命は軽い。
レイシストの白人にとっては、「虫けら」同然の軽さだろう。
それは「昔話」であればともかく、現代でも続いていて、そうした人種差別を公言する人物が大統領になったりする。
それだけ「白人の危機感」つまり「国が黒人に乗っ取られる」とか「黒人が大手を振ってあるく」ことへの危機感、嫌悪感が強いのだろう。
しかもそれが宗教的後ろ盾があり、「愛国心」とも言える、という特異な思想。
大昔の事件ではあるが、それが本作が今の時代に作られた意味、意義だと思う。
まだまだ根深い…
肌の色の差別がこんなに強烈だという事を改めて実感。が、なぜここまでの差別意識が持続するのかよく理解できない。そしてやはり母はつよし。その思いに感動し共感。思っている以上に一見の価値あり、と思う。
全62件中、41~60件目を表示