「正義と自由とは…」ティル MARさんの映画レビュー(感想・評価)
正義と自由とは…
1955年、黒人差別が特に酷いアメリカ南部地域にて、親戚宅に出かけた14歳の少年が理不尽に殺害されてしまい、苦難と逆境に立たされつつも闘う母親の物語。
14歳のティルは、南部地域での差別事情を解っておらず、白人女性に冷やかしの口笛を吹いてしまい…。
それにしても哀しい現実ですね。
只でさえ、一人息子が亡くなり哀しみの底にいるというのに…。
それでも、この現実を伝えるために立ち上がることを選んだ母親。にもかかわらず彼女に向けられる言葉や目線。絶望が二重にも三重にものしかかってくる展開は見ていて辛い。
被害者でありながら、正義を貫きに行くのにも危険がともなうなんて。おばあちゃんの気持ちもわかりますよね。
法定もまた…。思わずハァ?と声が出てしまいそうになるほど、加害者が守られる空気には怒りがこみ上げる。そしてこの猿芝居。あんたも人の親だろ…。
この時代程でないにせよ、未だに問題は残っているし、自由や正義を声高に叫ぶ国ならば、本当の正義を国全体で貫き通して欲しい、そう願わずにいられない作品だった。
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