エルマーのぼうけんのレビュー・感想・評価
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空想力の大切さ
傑作連発のカートゥーンサルーンの最新作。名作児童文学を『ブレッドウィナー』のノラ・トゥーミー監督が映画化した。トゥーミー監督は、空想することの大切さを描く作家だ。過酷なアフガンで生き抜くための空想力を描いた前作に対して、今度は大恐慌時代を空想力を持って生き抜いた原作者自身とも重ねて映像化していると思われる。
貧しい暮らしを余儀なくされる母子家庭の主人公。母が経営していたお店が閉店となり、屋根裏のボロアパートの部屋に引っ越し、節約する毎日。いきづまる生活のなか、母と喧嘩し飛び出した先で猫がしゃべりだし、ドラゴンのいる世界を想像しろと言う。そうしたら、本当にドラゴンのいる世界へと行くことになり、そこで大冒険を繰り広げて成長し、母の元へと帰っていく。空想が少年を成長させ、世界への理解を助けてくれる。想像力が狭くなれば世界も狭くなり、不寛容になってしまう。今、一番世界に欠けているものを描いている作品だ。
ドラゴン・ファンタジー
ネットフリックスの配信を音声を日本語にして鑑賞しました。
1963年の冒険小説(作:ルース・スタイルス・ガネット、絵:ルース・クリスマン・ガネット)を ノラ・トゥオメィが 2022年にアニメ映画化したものらしいです。
語り部(女性)のお父さん(エルマー)が少年だった頃、夢を果たそうとして 家出をして、不思議な体験をする。海を渡り、喋る動物たちが住んでいる島に着く。そこで出会ったドラゴンのボリスと一緒に、島を救うためにの冒険をする...という物語です。
癖のある独特な絵ですが、観ているうちに慣れてきて、いつのまにか この絵が好きになっていました。
『ウォーリーをさがせ!』(1987年)のウォーリーは、逃亡中の囚人(赤と白のストライプ服)という都市伝説がありますが、今作の主人公エルマーとは関係がなさそうです。
没入感があって楽しめました。
あたたかいきもちになれる
"答え"
セールストーク上手のエルマーと、翼が傷ついて飛べないドラゴンのボリス。そして、事情ありなのだけどドラゴンを縛り付けているどうぶつ島(wild island)の動物たち。自分良ければ全て良しな事なかれ主義や、利己的な目的の上に成り立った友情。ドラゴンの存在を大人以上に本気で信じられる子供向きの作品ではあるのかもしれないけど、この美しいアニメーションによる信じられないような冒険の根幹にはすべての世代に響くものがあるはずだ。ボイスキャストも魅力的。こたつの中で温まりながら家族みんなでミカンを食べながら見たい。もしかするとこれはこの冬、Netflixが贈る最良のクリスマス映画かもしれない?怖いかもしれないけど飛び出そう
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