今年364本目(合計1,014本目/今月(2023年10月度)29本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))
なんとこの映画、1年も前の映画なのですが、なんと大阪市では今日が公開日というかわった日程でした。トークショーもあったので予約できる数日前から完全埋まりで、トークショーつきという作品は予約埋まりが多いのですが、「サーバーが落ちるほど」というのはめずらしかったです(1時間くらい待たされた…)。
展開としては、魚をメインにしたお弁当屋さんと、そのお弁当屋さんを舞台にして起きる大人どうしのトラブルを描いた作品で、ややどちら(お弁当屋と、大人のトラブル)のどちらよりを趣旨に描きたかったのかが微妙な点があります。この点、放映時間そのものが短いなら仕方がないですが120分もある映画です。とはいえ、初監督やそれに準じる(おおよそ5作程度まで)監督の方の作品ですし、極端に大きくそこは論じられないといったところです。
どうしてもこの映画、その「大人のトラブル」の論点になると、誰が犯人だの動機が何だのといったところに触れざるを得ず、そこはネタバレの範囲になってしまいます。後半1時間ほどは、一般的な映画館でよくある「犯人は誰でしょう?」系のミステリーものと化してしまうので(前半は人情系の映画と言える)、どうしてもネタバレになってしまう部分はある一方で、いろいろな見方もできるといったところでしょうか。
採点に関しては以下を気にしたものです。
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(減点0.2/事務管理に関する描写について)
事務管理は、管理者ではなく「本人にとって」本人の意思がわかるか、それを推知できる場合、それにより事務管理を行う必要があります(←管理者の意思ではない/697条の2)。
(減点0.1/不当利得について)
この映画の後半で描かれている事象は、民法上は不当利得「にも」あたるものです。不法行為に関しては一般的によく扱われますが、不当利得について触れる映画は実は少ないので、ここの描写はしっかりしてほしかったです。とはいえ、初監督やそれに準じる方の作品であり、ほか明確に気になる点はないので、ここは指摘はしますが、この程度です。
※ 事務管理、不当利得、不法行為の3つをあわせて「法定債権」といい、契約などと違い、「条件を満たすと勝手に発動する債権」です。そのため、「いつのまにか債務不履行の状態が発生する」といったことが起こりうるのがこの類型で、扱いには注意が必要なのです(特に不当利得。いわゆる「銀行口座の誤入金」はこれにあたり、勝手に民法上の責任を問われるなど処理が特殊)。
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