「最後の最後のどんでん返し…でも…」マッチング bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
最後の最後のどんでん返し…でも…
先日まで劇場公開していた本作が、早くもAmazon primeで早くも配信されたので鑑賞。
私達の若い頃は、好きな子ができるとアプローチいろいろと考えて、ようやくデートにこぎつけたもの。しかし、今やマッチング・アプリは若者の男女交際の必須アイテムとして、欠かせないものになっている。苦労しなくても自分とベストな相手をマッチングしてくれるわけだから、男女交際もデジタルな世の中になったものだ…とオジサンとしては思う。
AIによって確かに、自分に合った相手を見つけてはくれても、やはり素性が分からない相手と、いきなりデートから始まる交際には怖さもある。本作では、そんなマッチング・アプリで出会った男にストーカー被害に遭う、ウェデング・プランナーが味わう恐怖を描いている。そして、彼女の家族の過去に遡って巻き込まれていく、サスペンス・スリラーとして仕上げている。
ウェデング・プランナーとして働く輪花は、友達の勧めで、マッチング・アプリに登録するが、マッチングした相手は、異常な暗さを感じる男・吐夢だった。最初のデートで吐夢に恐怖を感じた輪花だったが、吐夢は、執拗なまでに輪花のストーカーとなって付きまとうようになる。
輪花は、マッチング・アプリの運営エンジニアである影山にそのことを相談する。そんな折、マッチング・アプリで知り合って結婚した夫婦が、次々と惨殺死体となって発見される連続殺人事件が発生する。そんな中で、同僚の転落事故や輪花の父親までもが首を吊って命を落とす。傷ついた輪花を、影山は優しく受け止め、それに身を委ねていく輪花だったが…。そこから急展開を見せて、クライマックスへと突き進む。
真相については、最後の最後で二重三重のどんでん返しがあるし、輪花の家族に纏わる黒歴史が、父親の自殺だけでなく、この連続殺人事件を引き起こす動機として連動していく描写は、流石に内田英治作品の面白さだと感じた。
但し、出演者が限られていて、当初から怪しい犯人には配役で目星がついたし、あまりに早くに事件の片が付いたので、その後に必ずどんでん返しもあることも見え見え。しかも、そのどんでん返しのネタも、やっぱりその後の配役でわかってしまい、サプライズにはならなかったのは、キャスト・ミスではなかっただろうか。