「映画監督"内田英治"との向き合い方」マッチング サスペンス西島さんの映画レビュー(感想・評価)
映画監督"内田英治"との向き合い方
2024年劇場鑑賞15本目 佳作 58点
鑑賞当時から5ヶ月ほど経過し、Amazonでも無料配信が開始されたということで今更のレビューになります
結論、クチコミで規模を拡大していきその年の日本アカデミー賞や主演男優賞をかっさらったミッドナイトスワンの監督だからといって、それクラスを期待してはいけないということです
これは以降の雨を叫べば、異動事例(個人的には好評だが)、探偵マリコ、サイレントラヴ、等々世間での評価が香ばしい結果になっていますが、結構前からタイトルがマッチングであること、主演が土屋太鳳だということ、監督が内田英治だということ、の三点が告知されていたので、一見スマホを落としたのような感じかと睨んでいましたが、それ以下でした
内容について触れると、登場人物みんなおかしい
挙動も人物像もダメ
まず冒頭の主人公がブライダル勤務で人様の祝杯を手助けする一方プライベートはこれといって彩ってなく、同僚に半ば強制的にマッチングアプリ勧められ勝手に操作され、少子高齢化がどうたらで企業のタイアップでコラボをし、偶然にも同線が繋がっていく様が、序盤から詰め込み過ぎで説得する理屈は用意したけど自然ざじゃない感じが、テーマが先行して企画色が強い
マッチング率97%とかいう説得力の無さと取ってつけた理屈がクソ
それでいて会いにいくのもおかしい
以降も半信半疑な主人公なはずが、不自然な彼に引かれる動機が不自然だし、随所の演出がどんでん返しに思わせるシーンの散りばめが、それしちゃだめだよねが多い
例えば片岡礼子に手紙渡すシーンもそう思わせる伏線だけど、それだと最後に繋げるのが同義がなってないし、金子ノブアキが一貫して誠実で最後まで味方で最後何か裏切るんでしょうと佐久間大介は終盤まで悪者だけど、最後実は味方でしたみたいな、よくあるストーリーの流れがわかりやすいし、それに至るまでの所作とセリフの小出しがいかにもすぎて寒い、古典的すぎ
二人が繋がってるのも、いかにもだし、過去の出来事で親が繋がっているとかも胃もたれします
土屋太鳳の叫びとか、びっくりも悲壮感もなければ、超えて笑いも起きず、虚無でした
内田英治が監督原案脚本ということで、昨今の風刺でもある出会い系とその危険性や結婚や出産がしずらい社会など、今にフォーカスさせたテーマで、気合を込めて満を辞しての公開だったと思いますが、もう少し施しがあった気がします
配信にて見返しましたが、劇場鑑賞当時よりは好感触でしたが、それでも今ひとつでした