劇場公開日 2022年12月30日

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離ればなれになってものレビュー・感想・評価

全43件中、41~43件目を表示

4.5やや人間関係がつかみにくいし、リアルイタリアの歴史等も要求されるので注意。

2022年12月30日
PCから投稿

今年377本目(合計652本目/今月(2022年12月度)30本目)。
 ※ 「銀河英雄伝説~」をみてから向かったのですが、こちらの映画のレビュー需要はないと思うので飛ばします。

さて、こちらの映画。大阪市ではイタリア映画を多く扱っていたテアトル梅田さんが閉館となり、イタリア映画を見る機会はぐっと減りましたが、なぜか?tohoシネマズさん案件。tohoシネマズさんでイタリア映画って珍しいような気が…。

 ※ 東京には「tohoシネマズシャンテ」という映画館があるようで、そこでは海外作品が多く流されているようですが…。

 さて、こちらの作品。まぁ、誰を主人公にするかはいろいろ分かれそうな気がしますが、一人を主人公にするのは難しいと思います(一人に定めるのは多分無理)。

 タイトル通り、登場人物は男女合わせても6人程度で、くっついたり離れたり…という中で気持ちのすれ違い等があってなかなか結び付けなくてジレンマがあり…という趣旨を描いたヒューマンドラマというところでしょうか。

 一方で、映画自体は当然架空のお話ですが、1980~2022までのイタリアをはじめとする各国の主要なできごと(例えば、9.11は明示的に出るし、ほか、ベルリンの壁崩壊等も出ます)はもちろん、イタリアのこと細かい歴史も当時のフィルムが残っているのかそれも登場します(一応、後者に関しては字幕上配慮されています)。

 フランス映画と違い圧倒的に少ないイタリア映画ですが、イタリア大使館などが後援にあるという事情もあり、史実の参照に関しては極めて正確で、さらにイタリアの文化についても結構詳しく描写されています(各国との細かい違い等)。

 一方で、「人数が少ない割に妙に入れ替わって誰がどうなっているかわかりづらい」ということ、さらに、主人公の一人が弁護士という設定から、突然民事訴訟や行政訴訟の話をしはじめる(日本基準でのお話)といった、一定の理解がないと難しい一面もあるのも事実で、「一度見ただけでは理解度7割ほどかな…」というところです。

 最後、どのようなエンディングになるかは…。ここでは伏せておきましょう。

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 (減点0.3/一部の字幕の配慮が足りない)

 ・ 上記通り、イタリア大使館などが後援についている事情もあるので、内容も極めて正確に描かれていますが、主人公のひとりが弁護士という設定のため、突如民事訴訟の話をしはじめたり混乱させる要素が強いです(そこに、水質汚濁が何だのという、日本でいえば行政訴訟の話まで混ざってくる)。確かに行政訴訟は民事訴訟の一類型ですが(行政事件訴訟法は、民事訴訟法の特別法)、私人間どうしの争い(民事訴訟)と、行政対個人の争い(行政訴訟)は本質的には別に扱われるので、ここの理解がかなり難しいです(イタリアというより、イタリアの法がフランスの法の影響を受けており、日本はフランスの法を多く輸入したため、結果的に理解がある程度類推できる、という事情があります)。

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 (参考/減点なし/主人公の一人の名前が「ジェンマ」)

 ・ イタリアでは時々見られる名前ですが、もとはラテン語で、日本ではこの時期、2時(26時)ころになると見えるようになる、かんむり座のアルファ星、ゲンマ(Gemma、スペルは同じ。発音が違うのはイタリア語の事情)からきます。「宝石」を意味する2等星です(アルフェッカ、の別名もあり、現在ではこちらが、かんむり座アルファ星の国際的標準ですが、現在でも「ゲンマ」でも通じます)。
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yukispica

5.0出会い、別れ、再会。

2022年12月30日
Androidアプリから投稿

イタリア映画と言っても、こないイタリア語がハマってる映画は、無いんでは。
やはり、大きく考えるより、小さく考えて行動する方が無難やったんですね。

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ホモサピエンス

4.5だから言ったでしょ❗️大きく見ようよ‼️

2022年12月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

まず認識しておかなければいけないのは、この映画のあらすじ紹介は、多くの人をミスリードするのでは⁈というくらい、ジェンマにより過ぎだし、ジェンマの描かれ方を誤読しているように思えることです。

これから鑑賞する方はタイトルと紹介文は読まずに(ネタバレはありませんが、このレビューも読まずに)、なるべく真っさらな状態で、ご覧になってください。

たぶん、見て良かったと思える映画です。
40代以降の男性の方なら8割くらいの確率で、女性の方でもたぶん6割くらい?は…

男3人と女1人のやんちゃな思春期、社会への巣立ち、成功と挫折、野心と後悔、そして気が付いてみれば、承継と血統の物語。

※ここで言う〝血統〟にはサラブレッドからイメージされるような選良とか差別化という意味合いは含みません。

劇中、友達の彼女を寝取った男が寝取られたほうに、「大きく考えよう!、なっ⁈大きく考えればいいんだ」みたいなことをいけしゃあしゃあと言うシーンがありましたが、この映画自体が4人の小さな世界の話として綴られながら、いつの間にか、ちょっとした年代記になっていて、見ているこちらまで同じ世界を同じ時間に生きているんだ、と巧みに同期させられていきます。
だから言ったでしょ❗️大きく見ようよ‼️

家族関係のアレコレも、リアルではありますが、それぞれに分散して描かれるので、重暗くならずに見ることができます。

人に誇れるような特別な人生ではないけれど、
それぞれに特別な思いはあるけれど、
年越しの花火が平和で満たされた心で見られるのが毎年ではないけれど、
確実に次の世代に承継されていく思いがある。

年末にいい映画に出会えました。
ありがとうございます。

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グレシャムの法則