「宗教映画としてだけ見るのはもったいない」聖なる証 Pocarisさんの映画レビュー(感想・評価)
宗教映画としてだけ見るのはもったいない
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基本的には、男性による女性の抑圧の話です。
しかしそれにキリスト教の衣が着せられています。
4ヶ月も食べずに生きている少女は神に選ばれた奇跡の存在なのか?という謎解き要素は、実はこの物語の主ではありません。
「奇跡」であることにしたい聖職者や医師(みんな男性)がいて、そこに従属せざるを得ない家族、加えて、男性性の暴力の被害者である少女が、その男性の罪を背負わなくてはならないと思いこまされているという構造が重なっています。
解決策……と言えるのかわかりませんが、少女を救うにはああした方法しかないでしょう(ある意味ではリアリティを損ないかねない大胆な展開)。
しかしだからこそ、宗教はもちろん、科学や客観性では不可能な「私たちに必要な物語」なのですね。
それを示唆する映画のメタ構造も効果的です。
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