「現代の揺籠」Sin Clock berkeleyさんの映画レビュー(感想・評価)
現代の揺籠
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Sin Clock
この映画が、フェードアウトを多用した演出で見せたかったものは何か。窪塚洋介演じる主人公は、恩には感謝し、人を貶すことはせず(鼠捕りの警察官を除き)、一方で常に淡々として本心が見えにくい。養育費を払えなくなる(息子に会えなくなる)ことの心配はあるとしても、いざ犯罪計画に加担した本番においても、必死さは然程に見えてこない。悪徳議員の罪に横槍を入れる、現代人のように冷めた(決して破滅的ではない)ノワールだ。
偶然は最終的に味方をしたが、純粋に成長譚として受け取って良いかどうか。窪塚の受けの演技が一貫して光った作品だ。オリジナル脚本で作る熱意が伝わる。
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