劇場公開日 2023年5月26日

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「痛いっ! 重量感みなぎるパンチ炸裂に、鍛え抜かれたカラダが軋む!!」クリード 過去の逆襲 ドミトリー・グーロフさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5痛いっ! 重量感みなぎるパンチ炸裂に、鍛え抜かれたカラダが軋む!!

2023年5月21日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)への「参加」によって近年、世界的に知名度を上げてきた3人、、、マイケル・B・ジョーダン、ジョナサン・メジャース、テッサ・トンプソンが顔を揃えた本作。スポーツ映画史上初といわれるIMAXカメラで撮られた彼らの面構え、あるいはその肌理の美しさに、なによりまず惚れ惚れした。

そして最大の見どころは、言うまでもなく、二度三度と繰り返されるファイト・シーンだ。想像を超える凄まじいパンチの応酬が、画面いっぱいに“重量感”をみなぎらせる。と同時に、鍛え抜かれた肉体が震える一瞬を捉えた美しさもハンパなく、目が離せない。
ラストの頂上決戦で主人公クリードがボディブローを食らうシーンなど、脇腹から脊椎にかけて突き抜ける「痛み感」といったら! さながら『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』終盤におけるキャップVSアイアンマンのガチンコバトルみたいだ!!

そんな激しいシーンとは対照的に、映画前半で点描されるクリードのセレブな暮らしぶりは、もう一つの密かな見どころだ。長らく引きずってきた「辛い過去」だけでなく、現役引退をきっかけに元来の「闘争心」「本分」までも無意識に封印してしまった元チャンプの、声にならない「もがき」が滲み出ており、ナルホドと思った。自ずと守りに入った彼のスタンスが中盤以降、伏線としてじわじわ効いてくることになる。

もちろん、本作で監督デビューを飾ったマイケル・B・ジョーダンの演出にはまだまだと感じられた点も多い。たとえば、普段の会話シーンを切り返しショットによって過度に細かく刻んだり、クローズアップされた役者の顔に頼り過ぎていることなどが挙げられる。12ラウンドの試合時間経過を表すシーンでCG感が出過ぎているところもやや興ざめした。また、主人公を取り巻く人々の描き方も類型的だ。彼らは、ストーリーの展開上、“主人公の背中を押すひとこと”を発するためだけに存在するようにも見える。

それでも、この「監督デビュー戦」は、実に気合のこもった「肉体」とそれに見合う「見せ場」をがっつり用意してくれた。結果は判定勝ち。まずは手堅く1勝をあげ、将来へ向けて確実に期待を繋いだ。

※グランドシネマサンシャイン池袋でのIMAX試写会にて鑑賞。当日はマイケル・B・ジョーダンの舞台挨拶あり。ルックス&喋りの全てが、バチバチイケイケお兄ちゃん、だった! そこには紛れもなく生(ナマ)キルモンガーくんが居た!! ちなみに舞台袖で彼を見守っていた「お付きの人々」はストレイト・アウタ・コンプトンみたいだった。。。

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ドミトリー・グーロフ