「勉強が嫌いならスタントをやれ」カンフースタントマン 龍虎武師 ジョンスペさんの映画レビュー(感想・評価)
勉強が嫌いならスタントをやれ
文字通り体を張って映画を作ってきた香港のスタントマンたち。凍てついたスケートリンクに背中から落下する。爆発とともにみんなでビルの7階から飛び降りる。ガラスのテーブルや窓に突っ込んで叩き割る。もうめちゃくちゃ。痛たた!と思わず声が出る。そんなスタントシーンの連続は必見で、アチョーとか声を出すのは技のタイミングを伝えるためとか、なるほどと思った。ブルース・リーに始まった本格香港アクション映画の流れも概観できて、かなり楽しめた。
ミッション:インポッシブル新作のメイキング映像が劇場でも流れ始めていて、なんでも自分でやっちゃうクルーズさんもすごいけど、マット敷かずに土を掘って地面をやわらかくしただけとか、リハなし命綱なしの一発勝負とか、ハリウッドの俳優組合が100%ボイコットするレベルの彼らのスタントの方に、凄まじさでは軍配が上がるのではないだろうか。
アジア人の命の値段は安すぎるし、多くのスタントマンが小卒で、せっかく稼いだ大金はすぐにギャンブルで使い果たしたなどのエピソードは哀しいけど、陰に日なたに香港映画を支えてきたじいさんたちが、今も映画人やスタントをめざす若者からリスペクトされる文化があるのはすばらしいことだと思う。
ジョンスペさん
『ディック・ロング〜』へコメントくださったうえにフォローまでしてもらちゃってありがとうございます。
ジェッキーチェン映画のエンディングのNG集とか壮絶ですもんね。本編のコミカルさなんて消し飛ぶくらい悲惨で・・・。
日本でも仮面ライダーで藤岡弘にスタントやらせて大事故起こしてますし、今のアクションはヌルくてダメだ!なんて言えないぐらい
この時代のスタント危険でしたもんね。
でもだからこそ今では再現不能の生の迫力がこの時代の映画にはあって、色あせないのがいいんですよね。